丸の内OLの観劇日記

20代会社員が宝塚について語ります!

劇団および遺族側弁護士の記者会見について

こんにちは

 

先日、宙組の生徒が自ら死を選んだことについて、劇団側および遺族代理人弁護士により会見が行われ、劇団からは調査報告書が出されました。

これを受けて、これから私が宝塚ファンとしてどうするか当ブログの意見を述べたいと思います。

 

まず、劇団の報告書について。どれくらいオープンに話せる場だったかはさておき、起きた事象の確認という点では細かくヒアリングがされたものと思いました。しかし問題となっている暴言などについては「他に聞いた人はいなかった」「伝聞なので事実とは認められない」と書かれてしまってはどうしようもできないなと。それを実際聞いて傷ついた人がこの世にいなくて、言ってしまった人が口を閉ざせば、永遠に事実と認められない方針というのはいかがなものか?と素人ながらに思いました。

次にニュースでみた会見。報道各局がどうしてここまでトップニュースで扱ったか、それは会見で「いじめやハラスメントはなかった」と言ってしまったからです。人が亡くなっているのに、遺族が問題として挙げた点を真っ向否定するようなら、そりゃマスコミは食いつきます。

どうして「上級生はハラスメントをしている自覚などは全くなかったが、指導の一部がそう捉えられる可能性も否定できない」くらいのコメントにしなかったんですかね。

いじめやハラスメントを否定し労働環境を死因としたい劇団の考え、それはすなわち会社が悪くてタカラジェンヌ個人は悪くないと守っている姿勢でもあり、ある意味正しいのですが、言葉の選択が悪いから余計にタカラジェンヌを窮地に立たせているのではないかと思いました。

 

前回の記事でも書きましたが、

劇団員の死去に関する当ブログの意見について - 丸の内OLの観劇日記

今回彼女が死を選んでしまった理由の根本は、例のアイロン事件ではないはずです。

 

アイロン事件が起きたのはシャーロック・ホームズ / Deliciuex」の時。その当時は103期生は5人在籍していました。当初配属8名のうち、2人は2020に卒業、1人は夢白あやで組替えしています。だから、ホームズの時に起きたことがつらくて本役の人と気まずくてなどあるとすれば、次作の「NEVER SAY GOODBYE」もしくはその次の「High&Low / カプリチョーザで卒業を選ぶこともできたわけで。これは決してあの時やめなかったのが悪い!ということでは全くなく、本当にアイロンの件だけがつらかったのであれば、もっと前に卒業を選びその際は同期も5人いたのだから後ろめたさもなく卒業ができた状況ではないか?ということです。

火傷をよくあることで片付けるのは到底おかしいけれど、メイクの仕方と同様に髪の毛のセットの仕方を教えてもらうことまではあるあるなのかなとも考えられます。故意なのか事故なのか、弁護士の方が言っていたように事故ならば謝罪があったのかが論点だと考えました。

本当に事故でちゃんと本人間で謝罪があって和解しているとすれば、1年以上経った後に週刊誌が報じようと、これは事実だけど事故で仲直りしたよね!って堂々とお互いできて、わざわざ幹部部屋に呼び出されて事故だったと認めることを強要させられたり、組のみんなの前で今さら何かを話し合うような状況ではないはず。事実確認の呼び出し自体はまだしも、組の全員での話し合いの議題に挙がっている時点で本当に事故で和解済みならおかしいのではないかと思いました。

 

つまり何が言いたいかというと、アイロンが顔に当たってしまったという事実以外の何かが彼女を死に追いやったということです。

 

労働環境が過酷であること、特に宙組103期は新人公演の長としては人数が圧倒的に少なかったからさらに過酷であったことは間違いないです。改善をしなくてはいけません。

でも遺族のコメントにあった「宝塚歌劇に入ったこと、なにより宙組に配属されたことが」という部分を無視してはいけないと思います。双子が違う組にいてもう少し同期の人数はいたけど、蒼穹の昴という若手だけで短く演じるには中々ハードな公演の長の期の長を担って、きっと過酷な時間外労働もあったけど、それでも姉のような憔悴の仕方はしていなかったということです。

だからこそ劇団は「宙組に問題はなかった」などと簡単に言うべきではなかったと、もしかしたら宙組生え抜きの子たちにとっては当たり前で意見書にあがってこなくても、それは他組でも当たり前か?という観点をもって調査することが必要なのではないかと思います。

 

これから私は宝塚ファンとしてどうするか。上演している組については観劇を続けます。

他の組でも労働環境や、外には出ていないけどハラスメントに近い指導はもしかしたらあるのかもしれません。それを肯定する気は全くないし、今の劇団本体の対応を評価できるわけではないけれど、それでも故人が「舞台に立っている間は忘れられる」と言っていたのであれば、今この状況で舞台に立つことを選んでくれている人たちを応援するには座席を埋めて拍手を贈ることかなと思います。

お客様が待っているならと無理して舞台に立たせてしまっているなら申し訳ないし、でも客席が空いている状態でせっかく練習したのに…と落ち込ませるのもつらい。行くか行かないかどちらを選ぶのが正解かは正直わかりません。

 

これは宙組に対しても同じくです。宙組だけは公演をやること自体が正解とは思えないけれど、万が一やるとすれば持っているチケット分は観劇します。宙組生のうち、アンダー103期約45名はほぼ全員被害者だと思います。矢面に立つ長を救えなかった、そんなに追い詰められているなんて知らなかった、知っていたけどさらに上級生には言えなかった、といった人がほとんどかなと推測します。上級生の中にももしかしたらフォローしてたけど救いきれなかったと心を痛めている人や、いろんなものに板挟みとなって動かなかったと自分を責めている人もいるかもしれない。そんな風に考えると"宙組"という大きな括りで観ない応援しないと決めることはできないかなと思います。

 

でも、トップスターと組長は別です。私はこの2人だけは今の状況では応援できません。それは、いじめていたと名前が挙がっているからではありません。トップスターと組長としての責任を果たしていないからです。組子がそこまで追い詰められていることに対して気付かなかったのか、見ないふりをしたのかは分かりませんがどちらにせよ問題です。報告書でも2人が上にかけあったという事象やフォローする言葉はなかった時点で、そのようなことはなかったのだと思います。そこまで生徒がやるべきなのか?という意見も出てきそうですが、学年順1.2で役職もついている2人がやるべきものだと思います。普通の会社でも、本部のあまり顔をみたことない上司の他に、現場レベルの同じように手を動かしたり作業を理解しているラインマネージャーとかが設置されているのは当然で、組長やトップスターはそれに準ずる役職です。

トップスターも組長も新任だからという言い訳は通用しません。みんな最初は新任、だからこそ慣れているトップよりも意識して組子をみなくてはいけないはずです。その点では劇団本体の指名責任ももちろんあると思います。特に現宙組トップは8年以上も2番手を経験し、組長も最年少ではあるものの副組長として約2年マネジメントを学んできたはず。突然の話じゃなかったはずなのに何をしてきたのか?となりますし、もし学んだことをそのまま実践していたなら前のトップと組長にも問題があったと言わざるを得ません。

 

これからもこの件を見守りつつ、私は私にできること、前の記事でも書きましたが宝塚でも宝塚以外でもとにかく自分自身が健やかでいられるように過ごすことを大切にしていきたいと思います。

 

次の記事からはまた観劇感想に戻ります。引き続きよろしくお願いします。

 

 

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