丸の内OLの観劇日記

20代会社員が宝塚について語ります!

宙組再開とご遺族との合意について

こんにちは

 

昨年秋に起きた悲しい出来事から半年。先日、ご遺族との合意と宙組再開が発表されました。

 

今後、名前の上がっていた生徒や責任のある上級生がどのような道を歩むのか、そして双子の妹さんは舞台に戻ってくるのか、いろんなモヤモヤは残っていますが、一旦は合意書と再開のお知らせを持ってこの件はクローズでしょう。

これはブログですので私が個人的に今思っている意見を書いていきます。この件について触れるのは最後の予定です。

前回の記事はこちら。

劇団および遺族側弁護士の記者会見について - 丸の内OLの観劇日記

 

まずこの一連の件を受けて、最も残念だったのは劇団の対応です。対応の悪さが結果として残る宙組生を追い詰めることになったと思います。

「いじめの証拠があるならみせていただきたい」というような発言をした人を新理事長のおいたところで何が変わるのでしょう?名前だけすり替えれば良いということではないはず。生徒を守りたい気持ちがあったのは本当だろうけどそれならなぜ最初から認めなかったのか。最初の段階で、いじめていた自覚はなく指導の一貫だったけれど時代にはそぐわなかった、今の上級生もさらに上級生から学んだことをそのままやっていたが昭和と令和は違うし、伝統の継承と謎ルールは違うものだった、その辺りのコントロールを生徒ではなく上層部がすべきだった、という方向に持っていくことがなぜできなかったのか。

表に出て意見や気持ちを述べることのできないタカラジェンヌたちを追い詰めた最低な対応だったと思います。

最初から適切な対応をとっていれば、双子の現役の生徒が矢面にたってまで意見をすることもなかったのではないかと思わずにはいられません。

 

ご遺族と劇団が裁判をせず合意書という形で話をすすめたことは遺族の優しさだと思います。一部のファンはそれこそ証拠があるなら見せろと言わんばかりに裁判を!と言っていましたが、裁判をしたら特定の生徒も法廷に立つことになっていたと思います。そういう晒し者にしたいわけではない、特定の誰かではなく劇団が責任を一括して負うという結論への合意と、他の組の生徒が舞台に立ち続けられるように、そして宙組生が再びいつか舞台に立つ時のための気遣いだったと私は思っています。

 

以前にも書きましたが、彼女が死を選んでしまった最大の理由はアイロン事件ではないと考えています。この件に関する合意書の項目もあったし、GRAPHの訂正も入りましたが、この火傷は理由の1つではあっても、該当の時期やその時の人員状況や学年を考えても1番の理由ではないと考えられます。(詳しくは以前の記事を読んでください)

GRAPHでの訂正が公式から入った手前、該当生徒の無関係を言い張るのは無理があります。でもその1人だけが原因ではないと私は考えています。外側にいる私たちファンが、じゃあ誰がというのを知る必要はないし実際に今後知ることもないでしょう。

でもやっぱり私は、トップスターと組長を応援する気にはもうなれないです。それは何度も言いますがこの2人がいじめの主犯として週刊誌に名前があがっていてそれを信じているとかでは全くなく、管理職としての怠慢だからです。もし当時の組長やトップが、そして当時副組長と2番手だった2人が、アイロンの件をちゃんとフォローしていたら二次被害はなかったはず。アイロン事件がたった一度の2人の間だけで起こった事故的なものだとすれば、ちゃんと上級生がそれ以外のところで彼女を認めていればこんな最期にはならなかったはずと思わずにはいられません。前組長と前トップにも責任はあると思いますが、宙組103期が休演・卒業・卒業と続いたのは前任が辞めてからだし、カジノロワイヤルも103期が長としてまとめた作品です。蓄積的なものが追い詰めてしまっただろうからカジロワの時からつらいこともあったのだとは思いますが、その時はまだそんなことを選ばなかったというのもまた事実です。他の組も同じです。他組でのいじめやパワハラの有無は分からない、でも未だこんな悲しいことは起きていない。じゃあそんな人が出なければいいのか!と言われそうですがそうではなくて。もちろん状況自体が問題で、前の時代も他の組も同様にいろんな見直しをする必要があるけども、今の宙組の下で事件は起きたという事実から目を逸らしてはいけないと感じています。

 

ここまで読んでくれた方はどうして?と思うかもしれませんが、宙組の再開についてはよかったねという気持ちが大きいです。

彼女はもう永遠に舞台には戻れない、きっと同じくらい傷ついた同期の彼女も戻らない、誰よりもつらい双子も戻る目処が立たない中で、新しい作品が用意されてそこでセンターを務めるトップをどういう気持ちで観ればいいのかは正直分かりません。

でも宙組はトップや上級生だけのものではない。そんな劣悪な環境の中で精一杯お稽古していたであろう下級生、おそらくほぼ何も状況を掴めないまま他組同期と差がつくことに焦りを感じていたかもしれない108.109期。組の大半をしめる若きタカラジェンヌ達を応援したい気持ちがあります。そんな下級生たちがやっと舞台に立てるのであれば、良かったなと思うのです。

 

卒業を選んだ同期と休演が続いているもう1人の同期、そして同じタカラジェンヌという立場から勇気を持って意見した双子の妹、傷ついたみなさんが心穏やかに過ごせますように。

そして心よりのご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

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天華えま・星組退団者に贈る

こんにちは

 

先日、星組公演「RRR / Violetopia」千穐楽が無事に終わりました。まずは完走、おつかれさまでした。

この公演で卒業した大輝真琴・天華えま・彩園ひな・侑蘭粋の4名、寂しい気持ちもありますがおめでとうございます。

卒業したスターへ私が勝手に贈る言葉を綴るシリーズ、今回は天華えまへ書きたいと思います。

 

98期第3の男役として台頭したのが2016年。礼真琴一世風靡の新公が終わり、瀬央ゆりあ・紫藤りゅうが新公主演を経験した後に出てきた本命路線。トップの卒業とお披露目の新公をGETしこのままグイグイいくのかと思いきや、2期下の極美慎が初主演をとり並ばれて、紅 礼 七海 瀬央 +天寿 華形と上級生の影となっているうちに収まるところへ収まってしまった…というのが"路線スター"としての印象です。本人は悔しい気持ちもあったのかもしれないけど、そんな立ち位置に関係なく、いつも一所懸命に舞台に向かっているのが伝わったし、毎公演必ず前回以上のクウォリティを叩き出し、努力を惜しまない姿勢がみていて気持ちの良いスターでした。

でもだからこそ本当に正直に言えば、今作は卒業公演としては全然足りなかった!!!

同期で星では新公主演もらえなかった綾凰華は自作の歌詞で銀橋を渡って、トップと2人で背中合わせで銀橋で歌って踊るシーンもあった。最終到達地点は3番手で格上ではあるけども直近路線スターの卒業では和希そらがあの送別ぷりだったこと、そして現在公演中の月組では退団者全員が同期勢揃い場面をもらい、娘役の麗泉里も銀橋を1人で渡っていることを考えれば、Violetopiaの送別は足りないよ…と思ってしまった部分があります。

 

いつでも全力でパッション全開で爪痕を残そう今できるベストを尽くそうという気持ちはすごい伝わるし、それが気持ちの良いスターだったのですが、あと数年、あのハッとした瞬間が早ければもっと違うところに辿り着けたかもしれないとも感じているのが私の正直な気持ちです。

阿弖流爲の時の最期の演技は素晴らしかった。本物のスターだと思いましたし、ずっと背中を追いかけてきた礼真琴と組替え前ラストの同期綾凰華を追いかけて自ら命を差し出しにいく姿の、お前だけは生きていきてくれよという気持ちとそれがベストな選択だよねとも思わせる切なさで心をぐっと掴まれました。

しかしそこからしばらく、もちろんいつだって素晴らしかったけど、阿弖流爲ほど舞台上で同じくらいグッと掴まれることがなくて数年。

次にハッとしたのはマーキューシオ。剃り込みを入れてきた気合いの違いと、怒りっぽいしすっごい鋭いのに本当は誰よりも優しいという魅力、新公卒業してからの数年とコロナ禍に蓄えに蓄えた力が爆発したように感じました。

そこからの舞台上での姿は全部素晴らしかった。ナサウィーの掴みどころのないアンニュイなキャラクターの体現、ダントンの男らしさと力強さと歌唱力、同じ振り付けなのにダントンならどうするかと考えられた腰の落とし方、そして可愛いおとぼけジェラルド。コロナが明けてからの数年の輝きがすごくて、だから卒業を選んだことがもったいない気持ちも、同期トップを支えてほしかった気持ちもありますが、1番輝いている時に卒業するというのもまた最高の選択だとひしひしと感じたのでした。

 

91期の大輝真琴。同組同期の天寿光希・音波みのりと共に長らく星組を支えた存在。最近は良い方のおじさん枠という役が多かった印象ですが(悪い方がオレキザキ)、本人の温かみのようなものが舞台に出ている雰囲気で、他の91期もわりとそうですが柔らかな包容力を感じるスターでした。

約20年、卒業を選んだのは他でもないやり切ったという気持ちでしょう!本当にお疲れ様でした。

 

101期の彩園ひな。星蘭ひとみ・水乃ゆりに近いタイプの星娘らしい華やかな印象がありました。

101期は早いようで今年で研10。10年以上在籍したスターはどこかしら自分の中で満足感や達成感を持って卒業を選ぶのだと私は思っています。だから心よりおめでとうとお疲れ様をお伝えしたいです。

 

103期の侑蘭粋。私は星組に疎くて、正直今回卒業発表されるまであまり知らずにおりました。でも最後に彼女が紡いだ卒業の言葉は誰よりも美しく、思いに溢れたもので。同期の選んだ悲しすぎる最期への思い、出身地である石川への思いが、そのブーケと言葉1つ1つに込められていて、なんて美しい心を持った方なんだろうと思いました。彼女が今後穏やかに幸せに第二の人生を歩まれることを願います。

 

卒業される4名の皆様、本当におつかれさまでした!ありがとうございました。これからのご多幸をお祈りいたします。

 

 

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星組「Violetopia」観劇感想

こんにちは

年度末ということでバタバタしており更新頻度が下がっております。楽しみにしてくださる方がいたらすみません。

 

さて前回に引き続き星組の感想を書いていきます。「Violetopia」指田珠子先生のショーデビューかつ大劇場デビュー作です。

私は基本的にショーにはあまり意味とかを見出さない方が好きでして、いわゆるディズニーのパレードみたいに目の前にいるスターのキラキラを楽しめれば良い派であります。もしテーマを大切にするのであれば絶対にブレないのが好きでして、パリなのにクレオパトラとかそういうのがない(笑)…最近だと万華鏡百景色FROZEN HOLIDAYはテーマ一貫でしたね。あとたくさんのスターの顔がとにかくみれる中村一徳ショーが好きです。

そんな中でこのVioletopiaはテーマがあり一貫はしているのですがすごく考えさせられる。キラキラした世界の裏にある暗闇、みたいな対比が、正直ショーとしては私にはやりすぎな感じだなーというのが第一印象でした。

私はこの作品を3回観劇したのですが3回目にして、別に無理して感じなくてもいいのか!と突然視界が開けて気が楽になり楽しめるようになりました。例えばサーカスのシーンでも、蛇の孤独とサーカスへの忠誠と娘との出会いが…とか考えずに、なんの動物やってても礼真琴は最高!フリフリワンピースの舞空瞳は今日もかわいい!!っていうだけで楽しむんでもいっか!と思えたんですね。それもまた自由なんだと思います。

 

そんな気持ちのチェンジを経ての場面ごとにざっくり感想を書いていきます。

 

まずプロローグは不穏な感じで始まりますが、路線スターが順番に銀橋を渡り、くすみパステルカラーの衣装にハットと、宝塚!!という感じで良い。難しいことは考えず、今日も宝塚だー!と思うと普通に綺麗で良いです。

ラガドゥーのトップコンビとても可愛くて、この2人の良さが出ていたと思います。あの衣装を着こなしてなお可愛い舞空瞳の失われない初々しさは特筆すべきです。

 

続いて暁千星中心のシーン。なんか劇団の人たちの衣装が微妙だな…とそこが妙に気になって。花嫁花婿、管理職ぽい方々、裏方メンバーは良いのですが、俳優その他の幾何学ぽい衣装が不思議だなって。それももしかしら考えさせる演出なのかもしれませんが辿り着けませんでした。

ありぴーかのんの3人って意外と珍しいと思うのですがなんか揃うとアツいですね!笑

 

続いてサーカス、こちらも実は珍しいことなこかりんの並び。ずっといたはずの同じメンバーなのに目新しい組み合わせが2場面続くのが面白い。

この場面はですね、とにかく舞台の使い方が素晴らしい!!!

最初照明の効果により、砂漠の近くにきたサーカスなんだということが伝わります。ここの小桜ほのかはどこから声出してるんですかね?!すごい。そして銀橋を見ている間に、サーカスのテント幕があがっていて気づいたら観客もみんなサーカスの中にいる。まるでサーカスをみている観客のような気持ちになります。そして最後、サーカスが街を去る、逆光で黒い影にした時にサーカスの独特の衣装や小物が映えますし、蛇さんが最後トボトボとついていきながらも一輪の花を掲げるところの印象の付け方はあまりにも見事でした。全て合わせて芸術のような場面です。

 

とりあえずアップテンポの曲流れるだけでなんか楽しい中詰め。客席降りが豪華で!!3回ストップするのでいろんな方を近くでみれて楽しい!

途中のストップモーションからの変調とかその意味合いとか難しいんですけど、とりあえず客席降り楽しすぎてそれが全てです。

 

続いての場面は本当にいろいろ素晴らしいんですけどね!舞空瞳の燕尾に暁千星の女装など最高なのは確かなんだけども、続く孤独の場面も含めて、先生のこういうのが観たかったんでしょ?感の押し付けが強く感じられて、少しウッときてしまう感じが初回観劇時はしたのも事実です。

見事なマスゲームかつ手の表現のところは本当にすごいです。

 

フィナーレはなぜあのサングラス…近未来感があり色合いからすごくディズニーランドのトゥモローランドみを感じるのは私だけではないはず。正直好みではないです。良い悪いではなく、私個人の好みではないだけですのであしからず。やっぱりフィナーレってスターの顔をよくみたい場面だし、キラキラてるか静粛な雰囲気かのどちらかに振り切っているのが良くて、変わり種ってBADDYくらいのレベルでないと難しいものだなと思いました。その分デュエダンは王道でそれはとっても良かったです!!

 

先生にとってはデビューで挑戦的な作品、星組生にとっても目新しい壮美系ダウンテンポレビュー、また新しい琴ちゃんと星組を魅せてもらえた!という点で意味はあったし総括すると楽しいショーでした。

 

次回観劇感想は、花組「Arc en Ciel」の予定です。

 

 

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星組「RRR」観劇感想

こんにちは

 

星組公演「RRR√Bheem」観劇してきました。いやはや、フランスで革命してイギリスでランベスウォークして今度はインドでナートゥ。星組パッションはんぱない!!!

 

上演されることが決定してからたまたまWOWOWでタイミングよく放送があったので先に映画を観ました。盛りだくさんでしっかり3時間超え、果たしてこれを1時間半にどうやってまとめてくるんだろう…と思っていたら、まあびっくり!全部入ってる。

厳密にはもちろん全部入ってないですよ、虎とか舞台では無理な部分もあるしカットされたエピソードもある、でも概念的に全部入ってるんですよ…!!!私は個人的にはベルばらとはいからさんの切り取り方が原作ファンとして許せてないのですが、蒼穹の昴に続きRRRのまとめ方は素晴らしいものでした。

 

ビーム礼真琴はさすがのパワフルさ。ビームは(良い意味で)難しい役ではなく、仲間が大切、だからマッリを助ける、意気投合した兄貴ラーマも大切、という自分の大切なものに一直線。その想いを主役が真っ直ぐに演じてくれているからこそ、観客側もあえて難しく考える必要なくRRRのインド映画のダイナミックさと水や火の表現をストレートに楽しむことができると思いました。

もはやナートゥダンスには余裕さえみえて、たぶん演出なかったらあと1時間踊れただろ!みたいな感じでさすがでした。コムラムビームの歌も、元々の歌の上手さはもちろんのこと、鞭との呼応は特筆すべきですし、腹の底そしてインドの土地の底から響くような歌声は見事でした。

 

ビームがストレートな分、物語を背負っているのが暁千星演じるラーマ。やっぱり星組にいるとよくわかる繊細な演技をしますね。故郷への想いとビームとの友情で揺れる姿の表現がわかりやすいけど誇張しすぎてはなく良い塩梅で上手いと思いました。ナートゥダンスもビームとラーマの違いが出ていて、ビームの方が重心が低いけどラーマの方が力強いという本人同士なのか役作りなの癖が出ていたのも見どころでした。詩ちづる演じるシータを抱きしめる最後はもう…ありうたの民として大歓喜だし映画にはなかったけど映画ファンもみたかったシーンだと思う!森の戦闘シーンの衣装を着こなしているのも最高でしたね。

 

舞空瞳演じるジェニーはビームとの出会いで影響を受けるけどもビームに導かれたからではなく、自分の目でインドの力強さをみて感じて、自分の意思で人生を切り開いていくところが魅力的でした。コンビファンとしては最後くっつかないので不完全燃焼かもしれませんが、私はジェニーの描き方としては大正解だったと思います。ジェニーはマーケットとかに自ら買い物に行ってたけど、あの状況なら、どうせイギリス人は…という接し方や、怖いから優しくしておこう表面上…という人が実際ほとんどだと思うんですよね。その中で本当に友達になれた最初の人だったのがビーム。だから全く恋愛とか考えず、ジェニーにとっては悪気なく本当に純粋に友情だったと思いますし、自分を大切にしてくれる婚約者を裏切るような軽い女ではないというところも芯が通っていてむしろ良かったと感じました!

その婚約者のジェイクを演じる極美慎。全ての場面でドヤってるわけですが、これだから坊ちゃんは(笑)となる憎めなさが最後にジェニーに選ばれるのもなんだか納得ですし、「僕は君が心配なんだ!」とあのビジュアルで言われたらさ、ねえ?インドにもイギリスにも総督にも興味ないのにインドまで着いてきたその愛もはやすごい笑

 

ゴーンド族のパッダイヤ・ジャング・ラッチュ天華えま・天飛華音・稀惺かずとは、星組生え抜きの中でも星組色が強くて礼真琴チルドレン感もマシマシのメンバーなので、そりゃあなた達は同じ一族で同じ気持ちの熱さを持っているよなあとなります。数少ない場面でもそれぞれの個性が出ていてキャラ付けがしっかりされているのも、誰が好き?!となって良い!!

ロキ紫りらの最初の場面でのみせ方は本当にすごい。映画ではけっこう長い距離車を追いかけたとわかるけど舞台では数メートルなのに、母がどれだけ娘を必死に連れ帰りたかったかを数秒で表現しきる。見事です。

話のメインとなる連れ去られたマッリ演じる瑠璃花夏。ショーになるとあんなに艶っぽいのにどうして子役がこんなにハマるのか!!あの子のためなら一族は必死となるよなと納得感をこれまた数秒で思わせるのがすごい。

 

美稀千種・都優奈の歌は力強くて大地を感じる雰囲気。私はどの組でも組長が頑張ってくださると頭が上がらなくて…あの歌の量ほんとにありがとう。そして組長と対等に歌えてるけど102期か、すごいなあ。

 

輝咲玲央・小桜ほのかの夫婦はもう配役の時点で強くないか?!悪い男をさせたら正解しかない男役と、少女から悪女までなんでもこいのオールマイティな娘役のタッグの夫婦。最強。妻が悪い女すぎるが、そんな女を妻にしちゃうのも納得の夫。そして中間管理職として可哀想な役目なのに最初に殺される碧海さりお。謎の説得力。

 

WATERRR・FIRRREの希沙薫・水乃ゆり・夕渚りょう・鳳華るりな。いやーまずビジュアルが最高ですねどちらも!!WATERRRの最初の組体操?はタカラジェンヌやっぱりすごいなと思いますし、衣装の色だけでなく身体の使い方から人と水を表現しているのも見応えあります。

 

最後に他のキャストをさらさらっと。今作で卒業の大輝真琴は優しさ溢れていて最後まで同じ名前の礼真琴を見守ってくれてありがとうの気持ち(誰目線)です。朝水りょうのラーマ父はそりゃあれだけかっこいい父さんいたらああなるわな!という今回も最高に爪痕残してくれました。ヴァンカテシュワルルという素敵な名前が付いていながら「おじさん」で通されてしまったひろ香裕。ラーマもさぞかし心強かっただろう人の良さと真の強さを秘めたおじさんでした。

 

RRRの感想はここまで!ショーも頑張って書きたい…と思ってます…難しいんだよなあ。

 

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和希そら・沙羅アンナ・琴羽りりに贈る

こんにちは

 

先日無事に東京は全日程上演することができ、千穐楽を迎えた雪組公演。3人の卒業する方々へ、勝手ながらの贈る言葉です。

 

まずは、卒業発表からずっっっと信じられなかった和希そら。だってあと少し待てば2番手になれた。超御曹司とはいえ縣千とはしっかり差をつけられて抜かされる雰囲気はなかったし、2番手の朝美絢も上級生だったから、このままスムーズに上がったはず。なんで??という気持ちが正直ありました。

でも舞台での姿をみたら、なんかとんでもなくスッキリした表情や踊りをしていたので、人事的要素とか考えた自分を残念に思うくらい和希そらは宝塚でできることをやりきったから卒業するんだなと思いました。清々しかった!!

 

高身長の宙組の中では唯一の小さめな新公主演者で、私はHOT EYESのトリプルエトワールで初めて認識しました。男役三重奏珍しいなくらいでした。本公演あの扱いなのにバウやるんだ?!と思ってから、この瞬間に立ち会えてよかった!!と思ったのがオーシャンズ11。JUMPしたのはライナスじゃなくて和希そら自身でした。

El Japonでは、藤九郎の戸籍はどうするんだよ…全然ハッピーエンドじゃないじゃないかよ…となり、でもアクアヴィーテで初めて場面を任された時の輝きったら忘れられません。

 

壮麗帝はとにかく濃厚なずんそらずんそららの生え抜き組み合わせがとても良い思い出。

アナスタシアのリリーでは歌は迫力があるし女役でも安定に上手くて役者としての実力を示し、そしてまたずんそらが違う形で楽しめた思い出の作品。

夢千鳥から突然の少年の終わり。余裕から醸し出される色気が半端なくて、でも本人(役)は必死に生きているのがまたかっこよくてみたいな本当にこんな男性いたら間違いなく沼すぎてやばいけど好きになるの分かるけど、いやいや実際はこんなのいないんだよ…!みたいな抜け感。突然罪な男になってシェルドレイクで組替えしたと思ったら少年に戻ってた夢介。

 

雪組にきてからというのはものすごく扱いが良かった。だから本当に組替えして良かったねと思ったし、こんなにも惜しまれる形で卒業できたのは組替えのお陰だと思います。

蒼穹の昴の順佳の命を燃やした生き方と歌唱指導、ボニクラの弟とは違った少し大人の色気と、妻と弟 安定と好奇心の間で揺れる悪いけど良い男なバック。双曲線上のカルテでの本命だけにみせる顔と本命にすらみせなかった顔のずるさと色気、SensationalのオーロラとFROZEN HOLIDAYの人生のメリーゴーランドでみせたさきそらの美しいダンスの共鳴、全てが魅力的で色が全然違って、まだまだいろんな和希そらを観ていたかったし、あさそらの供給が全然足りてない…。

 

でもこの1番惜しまれるタイミングで清々しくやめていき、最後まで誰のものにもならない和希そらという謎の余韻を残していった最後まで罪深い男役なのでした。

良い意味で小柄で歌とダンスの実力は確かなので外部での活躍を望まずにはいられませんが、好きなように人生を送っておくれという気持ちです笑

 

続いて沙羅アンナ。雪組は男役娘役ともに上級生が多く残っていて、だからこそもしかしたら他組ならもうとっくに重鎮だったかもしれないけど最後まで中堅のポジションのイメージがありました。なので、実力がもっと活かせるタイミングがどこかであったのではないかという惜しい気持ちが正直あります。全ツ版ジュエパリではコレクションの場面の歌唱で、とても歌がうまくて遅ればせながら驚いたものです。

私は上級生が卒業するときは必ず思うのですが、研10を超えて卒業する人はみんな自分がやりたかったことややるべきことを全うしたと思って卒業を選んでると思っています。だから、彼女また自分の宝塚人生をまっとうして卒業していくのだと、たっっくさんの思い出があるからこそ最後正直にさみしいと涙を流すこともできて良かったなと思ったラストデイでした。

 

これからも雪組を支えてくれると信じていた琴羽りり。たった一言の芝居でもわかる芸達者さで、職人系雪娘としてまだまだ活躍してくれると信じていたので残念でなりません。

Sweet Little Rock'n'Rollのめちゃめちゃゆっくり喋る女子高生も良かったですよね、あのペースでセリフを言うのって逆に緊張しそうなのにちゃんと時間使ってたし、他の女の方たちと系統違うけどちゃんと仲良しにみえるし。あとはライラックの時のクリスマス通りすがりの女。景気の悪さを嘆くセリフ一言だけなのですが、そのニュアンスやトーンが完璧なんです…!!

卒業はとても惜しいですが、今まで本当にありがとうございました。

 

卒業された3名が、今後も幸せでありますように願いを込めて。

 

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雪組「FROZEN HOLIDAY」観劇感想

こんにちは!

 

だいぶ遅れましたが雪組公演の感想を書いていきます。

 

雪組「FROZEN HOLIDAY」、私は東京で観たのでもうクリスマスも正月も終わっていたのですが、楽しいから関係なし。

まず最初のプロローグにで袖に上級生出てくるのが最高。あの人数いてくださるって有り難すぎて1人1人に御礼を言いたくなります。

 

チーム紹介、最初観た時はダサっ!て正直思いましたが慣れてくればただ楽しいです。彩風咲奈がどのチームとも楽しそうに踊っているのがグッときますし、桜路薫・天月翼の95期コンビが回転扉開けてくれるのも良いんですよね〜!

紀城ゆりや・音彩唯・華世京・華純沙那のクッキング姿が可愛すぎる…!!みんな割と歌える、特に娘役は歌うまメンバーのはずなのに、プロローグ直後の4人銀橋は声量が足りず、ロケット後のセリフも息絶え絶えだったので、上級生の肺活量ってすごいんだなと思ったりなどしました。

 

料理バトル、日本チームのクリスマスソングから寿司!のところとかだけちゃんと和風に仕上げるのがツボですごく好きなところです。

朝美絢の「お前とキャンディーケーン」まじで意味わからないのに、それが正解みたいにしてるのさすがすぎて毎回笑えます最高。

そして絶対にいちごを食べない和希そら神父に、最終的にかならず食べさせられるサンタJrと、めっっっちゃ可愛い夢白あや。平和すぎてニコニコしちゃいます。

 

ダンスバトルのシーン、彩風咲奈・夢白あやのコンビの魅力が爆発してます。モダンなスキーウェアを一歩間違えたら昭和感あふれるダサい感じになりそうなのにめっちゃオサレに着こなす。

 

クリスマスの中詰めは楽しい!とにかく楽しい!!知ってる曲がたくさん流れるし、でもふとした時にGREATEST HITS!!を思い出したりなんかして。その正体はパパ〜song、今回は和希そらが歌っていますが前回は望海風斗だったなとかね。あの頃は、月城かなと・永久輝せあ揃っていたんだよなあとかね。そしてあの頃から変わらずにいてくれる上級生の皆様、本当にありがとうございます(2回目)

銀橋を渡る諏訪さき・野々花ひまりの同期コンビ。トップコンビでも観たことないくっつき具合で、同期最高〜!!となりますし、この2人ずっと一緒なの良いですよね。

 

晦日の場面で突然始まる和希そらサヨナラショー。もうこの場面を作ってくれた先生には感謝です。残っていたら絶対2番手にあがれたのに、人気も実力もあってみんなから惜しまれてる中でサヨナラショーもなく卒業していくそらぴを送り出すシーンがちゃんとあって本当によかった。白い衣装で軽やかに踊る姿はまぶしくて、ありがとうがたくさん詰まった歌詞と、次の時代に続くカウントダウン。サヨナラ場面として完璧すぎて、だからこそより本当にやめるんだ…と思って寂しくなることもありました。

 

雪100の場面は、ここで正月をテーマに和物らしさ持ってくるか!と唸り、「歌ってランラララン 踊ってドンドコドン」という謎歌詞ですごいテンション上がるんですよね!!!

Snow Flower板付きが、彩風咲奈+奏乃はると・透真かずき・真那春人・久城あす・桜路薫・天月翼の時点でもう…ほんとに……ありがとうございます(3回目) この人たちが今の雪組の柱なんだと毎回グッときてしまい、雪組は組替え生が多くて今もトップ娘と2.3番手は組替えだけど、それでも雪組雪組であり続けてて組み替えしてきたみんなが新しい風を吹かせつつ雪組生になっていくのはこの柱であり土台である方々がいてこそなんだ!!と。きっと今までも生え抜きで支え続けてきた方々が繋いだ雪組があって100年経ったんだよなああと思い、そこから路線に切り替わった時にこうして他組から良いところを取り入れてまた雪組は成長していくんだよなあと歴史を感じた素晴らしい場面でした。

そしてその後残ってソロとなる朝美絢の声量が半端なくてすごい。深い意味はないのかもだけも、雪100→2番手ソロは感じるものがありますね。

ロケットは、鏡×大人数をみるか袖の上級生コーラスを見るか迷ってしまう。そしてなんだかんだコーラスみてしまうありがとうございます(4回目)

 

超雪祭男子、オーバー99の学年はもうこういうシーンはあまり出してもらえないけど、あさそらを堪能できるシーンがあったこと本当に感謝の気持ちでいっぱいでございます。下級生みたいのにけっきょくセンターみてしまう。そして叶ゆうりパイセン紫担当は全員の解釈が一致すぎる。

 

彩風咲奈最後のオリジナルフィナーレ。(ベルばらは型があるので) それが、人生のメリーゴーランドなのはもう最高でしかないですよね。

あの少し寂しさを感じさせるロマンティックな雰囲気のメロディとそれに合わせた少し寂しくなるようでちょっと暖かいフィナーレ。運命の相手をそれぞれみつけていく様子が切なくて愛しくて、そして最後に今作で卒業する和希そらと次作で卒業する彩風咲奈がそれぞれ別れを告げるような場面があることにも寂しさと切なさを感じる、でもとっても素敵なフィナーレでした。

 

とにかく楽しい作品で、次回のコンサートも同じ野口先生なので楽しみですね!

 

次回観劇感想は、星組「RRR / Violetopia」の予定です。

 

 

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月組「Golden Dead Schiele」観劇感想

こんにちは

 

先日、G.O.A.T「RRR / Violetopia」とあわせて「Golden Dead Schiele遠征観劇してきました!!配信も改めて観ましたので感想を書いていきます。

 

観劇後、Wikipediaでエゴンシーレを調べましたが28で亡くなった短い人生のほとんど全てのエピソードが網羅されており、無駄な脚色や脱線がなく、「死と乙女」という作品を描き上げるところまでを焦点にあてた、とても綺麗なまとまった作品だったと思います。

幼少期に父親に絵を燃やされるエピソードと裁判で絵を焼却処理されるエピソードを同じ大楠てらに演じさせリフレインするところや、ヴァリが牢獄に差し入れる紙とペンとエディトが戦中に買ってきた紙とペンの対比、結婚しなくても分かり合えると思ってたエゴンと気にしていたヴァリ、死の幻影とヴァリが絵画と同じ構図になったところに絵が降りてくるとか、象徴的に差し込まれる演出も印象的で、すごく良いまとまりの作品だったと感じました。ハイカロリー作品に慣れてしまった私も悪いですが、まとまりは良かったけどそれ以上はないというのも正直なところです。その分、役者の芝居で成り立っていた部分が大きくて、若手一人一人が実力を発揮するという点ではバウ作品として大成功だったと思います。

 

それではキャスト別です!

 

エゴン・シーレ彩海せら

本当にバウ初主演…?あまりにも出来上がりすぎていて芝居も歌も真ん中で発するパワーも素晴らしかった。歌の節々、黒燕尾の胸の張り方に望海風斗を感じるし、怒りの表現や不機嫌な顔がに月城かなとの面影があり、芝居での目の使い方に朝美絢を感じる。でも色んなスターから学んだことを自分のものとして噛み砕き練り上げた彩海せららしさというのが出ていた第一期の集大成という感じでした。少年と青年の狭間の危うさと儚さをここまで役に投影できるのは本人の強みですし、全てひっくるめて本当に上手いなと思いました。

いつかは役として幸せになってほしい、明るい世界で生きてほしいと願いますし、もう少し大人を描いたらどう演じるのだろうとも思い、これからがますます楽しみになった点でも初バウ主演として大成功だと思います!あっぱれ!

 

ヴァリ・ノイツェル : 白河りり

ここ最近は別格枠の芝居も歌も毎回素晴らしく演じてきて、ここにきてちゃんとヒロインもできると大々的に示され、向かうところ敵なしのスーパー娘役として台頭したと感じたヴァリでした。

ソロ歌はもちろん上手いですが、1幕ラストの夢奈瑠音・英かおと・瑠皇りあ・七城雅と5人で歌うところは全員上手い中でも、男4:女1のハモリでしっかり声量と安定した音程と芝居で聴かせていてすごいなと思いました。

私は派手なところへは行けないとエゴンに言っている時は気丈でも、実際エディトの結婚式ではずっと不安そうで、シーレ母にこんな身分の…と言われた時には唇と拳をギュッとして、そこからの「あなたはおめでとうも言ってないわ!!」から別れまでの芝居の丁寧さと感情の出し方の塩梅が特に素晴らしかったです。

あみりりのデュエダンは個人的には夢かと思うくらい最高の組み合わせでした。

 

グスタフ・クリムト夢奈瑠音

激しく生きていた時代があったであろう芸術家の穏やかな晩年という雰囲気を少ない場面でもしっかり感じさせる見事な演技。今は菩薩のようでエゴンにもヴァリにも優しい祖父のような存在だけど、絶対エゴン以上にとんでもない時期あったんだろうな〜と感じさせるのが只者じゃなくて良かったです。

 

アルトゥール・レスラー : 英かおと

髭×スーツ最高です。脚が長すぎて髭でさらに小顔でとんでもスタイルでした。若者たちに仲間だ!と言われて、嬉し照れ臭いカワイイオジサンな部分もよかったですが、なにより最後の場面「私は君を書くには…」のところの抑えて噛み殺した演技が絶品でした。

 

アントン・ペシュカ : 瑠皇りあ

前半はマックスの方が気が短くてエゴンとマックスを上手くまとめている理解のある優しいお兄さんな雰囲気だった分、ゲルティとの結婚式での喧嘩のシーンは迫力がすごくて見せ場でした。穏やかでおおらかなイメージがある分、本当に怒ったら1番怖い人…感が出ていてよかったし、彩海せらの演技が素晴らしいので対等にならなくてはいけない友人としての喧嘩シーンで全く引けを取らず本気で戦えていたのはすごいと思います。

 

マックス :七城雅

エゴン アントンを演じる2人よりも実際に学年が下で、そこがマックスの若さに繋がっていて、夢に目を本気で輝かせて、その分裏切られた時に本気で怒ってしまうという素直な感情が無理なく表現されていたところが良かったし、喧嘩の直後そのまま振り返りのシーンになると「言い過ぎだと思います。それだけ若かったということです」でちゃんとスンと落ち着いて遠い目をしていた切替がなかなかに見事でした。

 

月組はトップ3の一人っ子トリオが既に最高で、でもおだぱるあみという次世代も全員持ち味が違って未来は明るいと思っていたのに、あみるおきどというさらに次世代までこんなに明るいのか!!!と強く感じた3人のフィナーレ黒燕尾。この3人が、3人だけでこの学年で黒燕尾を踊ったところを生で観劇できたことが私にとって宝物ですし、「新しい時代を作るんだ!!」と高々と歌っていた姿は本当に次の月組の時代を感じさせるものでした。

 

死の幻影 : 彩音星凪

本当に絵画から出てきたのではないかと思わせる美しさと異物感、佇んでいるだけなのにエゴンに恐怖を与える存在感、一挙一動に意味を持たせるダンス、どれも素晴らしかったです。宝塚ではよくあるダンスで表現する役や影の役としては過去最高を叩き出したと言って過言ではないです。

 

エディト・ハルムス : 花妃舞音

2幕頭の自分が可愛いことをしっかり自覚したあざとい年下娘はもうお手の物でしたが、「こんな結婚生活のはずじゃなかった」と泣き叫ぶところの演技がちゃんと現実に揉まれている感じが出ててよかったです。でも最期エゴンは自分よりもエディトを…と言うんですよね。あの夫婦の生活もっとみたかったなと思わせるエディトでした。

 

レオポルド : 佳城葵

安定で芝居がめちゃめちゃ上手いし、エゴンと決別する歌も迫力あって音程も安定でさすがのものでした。レオポルドはアカデミーのお金は出してくれたくらい父よりは理解もあったわけで、エゴンが嫌いだったわけではないという絶妙な距離感も本当に素晴らしい芝居でした。

 

マリー・シーレ(母) : 桃歌雪

私の幸せと歌っていた優しい母親が、夫を亡くし息子が退学したなっていった末の「今なら許します」の一言の迫力たるや。プライドと気品をもった母としての絶対的強さを秘めた芝居が良かったです。

 

エーリヒ・レーデラー : 真弘蓮

悪気のない坊ちゃん感が絶妙で、狂言回しチームとしてしっかり舞台をすすめるあたり実力も確か。自分の役を必ずしっかり務める月組らしい若手でこれからの別格路線としての活躍も楽しみです。

 

ゲルティ・シーレ : 澪花えりさ

今までで1番の大役だと思いますが、このクウォリティのこのメンバーの中で見劣りすることなく演じていただけでもすごいと思いますし、特にエゴンの退学を伯父に伝えてしまった時の「仕方ないじゃない」は、兄を好きで応援してる気持ちと実家に残って生活している自分の狭間の揺れ動きがちゃんとみえた表情がよかったです。

 

キャスト別はここまで!

余談ですが、アカデミーの制服ポーでしたね。天つ風朱李が完全にアラン・トワイライトで二度見しました。

 

次の観劇感想は、もうほぼ書き上げている雪組「FROZEN HOLIDAY」です。

 

 

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