丸の内OLの観劇日記

20代会社員が宝塚について語ります!

有沙瞳に贈る

こんにちは

 

無事に星組「1789-バスティーユの恋人たち-」千穐楽が終わりました。公式サイトでは瀬央ゆりあが専科へ移動。ことせお並びに95期の絆も専科へ移動する不安も全て理解した輝月ゆうまが同じ場所にいてよかったなと思ったりしたのでした。

 

さて千穐楽恒例、卒業されるスターへ贈る言葉

今作では娘役最強スターの有沙瞳が卒業しました。

 

あと一歩でトップ娘役になれたのではないか、ファンならみんなそう思うのも当然。しかも昨今では朝月希和・海乃美月の上級生逆転ホームランがあったからこそ尚更。でも私は正直、真彩希帆とトレード組替えの時点でここで逃したんだなと一度諦めていて、娘役人事考察記事を書くたびに実際カードは強いので登場はするものの難しいんだろうなとも思っていました。

でも果たしてトップ娘役になることだけが幸せなゴールなのだろうか?有沙瞳はトップ娘役にならなかったからこそ組むことができたコンビ、演じることができた役があると教えてくれた娘役です。

礼真琴との阿弖流爲に赤と黒瀬央ゆりあとの龍の宮物語、愛月ひかるとのマノン、轟悠とよドクトルジバゴ、遡れば月城かなととの銀二貫。

これだけいろんな男役の隣に立つ姿をみるチャンスをもらえたのは、彼女がトップ娘役ではなかったから。

ロミジュリの乳母はトップ娘役では絶対にできなかった。だとすれば、娘役としてではなく、1人の俳優としての姿を宝塚の世界でも観ることができたのはとても貴重だったかもしれない。

そう考えると、有沙瞳という娘役・俳優を最も存分に堪能できる日々だったのかなと思います。

少し悔しい気持ちがないと言えば嘘だから、そう言い聞かせている部分もありますが。

 

強く記憶に残っている役を考えると…やはりヒロインだったり目立つ役だったりになりがちですが、その役の感想は各作品で書いてきたので。

贈る言葉として最後に書きたいのは、有沙瞳×舞空瞳のゴールデンコンビに感謝を。

 

有沙瞳という大人っぽい役も艶っぽい役も、少女からおばさんまででから役者がいたからこそ、舞空瞳はヒロインをどストレートに演じることでより輝いていたし、全然違う持ち味の娘役が2人で並んでいるからこそお互いの良さが引き出されていたように感じます。

 

王家に捧ぐ歌のアムネリスとアイーダ。この姫2人はラダメスより強い意志と王家の誇りを持っています。アムネリスとアイーダが対等でないと、アイーダとラダメスの恋に壁が感じられないし、最後の2人を生き埋めにすると決めるアムネリスの決意が薄くなってしまいます。

星組版のアムネリスとアイーダはとても強く、だからこそ心の底から話し合えば分かり合える王同士になれたのではないか?と思うくらいで、双方から気品が感じられるのがとても良かったなと思います。

 

ディミトリのバテシバとルスダン。ルスダンは兄を色気で騙したと思ってるバテシバのことが嫌いだけど、本当にそうなのか?バテシバはたしかにお色気ムンムンだけど、王室でしっかりと立ち振る舞うことでやっと居場所ができるのだとルスダンよりもっと早く、そしてもっと辛く分かっていた。だからこそいつか分かり合えると言っていてその日は生前には来なかったけれど、ルスダンの心に本当の愛とは兄夫婦だと実は刻み込まれていた。

 

そして最後のオランプとマリーアントワネット。まずアントワネットという大役ができる彼女がいたからこそ、なこちゃんはヒロインでありトップ相手役であるオランプができたし、トップコンビがロナンとオランプになったからこそ脚本がスムーズになった。星組版の成功はまず1つ、アントワネット役者がトップ娘役以外にいたということです。

今までいろんな間柄を演じてきた2人が交わす最後の言葉が、「それでいいのよ」という全部を認める言葉であることにすごく感動しました。

きっと研4で組替えトップ娘役になって分からないことやできないこともたくさんあっただろうなこちゃんに、同じく組替えできて先に琴ちゃんの相手役も務めたことがあった彼女だからこそ伝えられる教えられることがあっただろうし、トップコンビがバラバラで公演したり休演だったり、きっと私たちの想像以上に大変な思いをしているであろう状況の中で最後にかける言葉が「それでいいのよ」は出来すぎた物語だったなと、千穐楽に2人ともが号泣している別れの場面をみて星娘黄金時代に私も別れをつげたのでした…。

 

これからも芸能の世界にいるのかいないのか、まだ分かりませんが、どのような道を選んでもこれからの人生が幸せでいっぱいでありますように。

 

卒業される3名も、またお稽古に臨む星組生も、専科の2人も、みんなに幸あれ!

 

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