こんばんは
日生劇場にて宙組「FLYING SAPA」を観劇してきました！
私はこちらもライブ配信を見ずに行ったんですけど、これはライブ見なくて良かったと思いました。少しでも目を離したらいけない物語だ…と感じ、劇場(または映画館でのライビュ)くらい集中できる空間で見てこそナンボだと。
ガッツリしたネタバレはしてないので、未観劇の人もどうぞ安心して読んでください。
でも所々に作品のちょっとした内容はどうしても載ってしまっているので、全く情報を得たくないわ！という方はやめておいてください。
まず感想としては、上田久美子先生は天才という事です！！
キャストよりも何よりも先に、ウエクミ先生すごい……と思ってしまう作品でした。
簡単に言ってしまえば、資本主義vs社会主義、民主主義vs共産主義、多様性の共存などの社会問題を扱っている物語な訳ですが、「社会問題について考えよう！！」という話ではなく、「こういう問題があるよね」とただ投げかけてくるだけ。この塩梅が素晴らしいというか、舞台だけでなくテレビ番組などでもそうですが、投げかけるだけの難しさを実現してみせました。
終わり方も、「こちらのサイドが正しい！最後に正義は勝つんだ！！」というものではなく、「どちらが正しいとかではないけど、どう思う？」と投げかけられる感じ。これって本当に難しいと思います。やっぱり物語やドキュメンタリーって、正しい側の人間を応援したくなるように設計されていて、どうしてもその正義を押しつけられる形になる。ただ問題を投げかけるだけというのがどれほど大変か…
それをSFファンタジーと上手く組み合わせて表現してみせた先生には天晴れです。
今回、歌はほとんどなく群舞もほとんどなし。全然宝塚らしくない作品でした。
宝塚ってどうしてもスターを応援するシステムのため、演じている本人を見てしまう傾向にあります。
例を出していうと、真風涼帆演じる"ダニー・オーシャン"とダニー・オーシャンを演じる"真風涼帆"の場合、後者を見ている感覚なんです。
でも今回ばかりは違いました。誰がなにを演じている、とか、○○さんの役が良かった！とかではなく、生徒たちは完全に作品の一部と化していたんです。
この状態を作り出してしまうウエクミ先生、いやぁ…凄すぎる……
とは言えね、一応、各キャストもチェックはしました笑
作品に集中しすぎて、キャスト別感想！と書けるほどではないので、気になった点をいくつか書いていきます。
・真風節に宝塚を感じる
彼女は「○○○だぁ↗︎」というよな語尾に独特の特徴があり、作品にずっと集中していても、この真風節を聞くと、あ！やっぱ宝塚だった！となんだか安心してしまいます笑
今回は焦っている他のメンバーの中で、1人だけちょっと引いたところにいる余裕のある役だったので、この真風節が余裕を良い感じに醸し出していたと思います。
・芹香斗亜余裕飄々2番手がかっこいい
その歴の長さ然り、他の2番手とは一線を画しますね！
あきらは2番手…というより保護者ポジだし、れいこちゃんも羽根を背負ったばかりでもがいているのを感じますし、愛ちゃんもやっとここに立ちました！という感じでまだ2番手としての余裕はなく、咲ちゃんは2番手歴は長いけれど上がだいもんということもあっていつまでも必死な様子。
いわゆる余裕飄々・2番手を持て余すかっこよさって、北翔時代の紅ゆずる・望海風斗・美弥るりか以来だと思うんですけど、「あぁかっこいいなぁ！！」と感じました。
そしてあんまり長いと旬を逃すぞ…とも……
・夢白あやの素晴らしすぎる演技力
彼女が推される理由…それは成績優秀者だからでも、ポスターだからでも、何かバックや事情があるわけでもなく、この絶対的演技力だと確信しました。
イエレナという役は若手娘役がやるにはすごく難しくて、さらに途中途中で過去の自分も演じなくてはならず、それがさらに難しい役。
あまりにもイエレナで、本当に度肝を抜かれる演技の上手さでした。
今回の公演はほとんどストレートプレイな部分もあり、はっきり言ってメイン3人よりも研4の夢白が誰よりも凄かった。
この作品が成功したのは、彼女の演技力があってこそだと思います！
レベルとして咲妃みゆに近いくらい高く、憑依型のゆうみちゃんとはちょっとタイプは違いますがそれくらい素晴らしかった…！
月城かなとのところへ落下傘しなかったのが今さら悔やまれます笑
・かっこよくなった瑠風輝
背の高い人揃いの宙組でもさらに目立ちますね！メガネで髪の毛キメている姿かっこよかったです。
・組替えで輝く紫藤りゅう
あれ？1人だけ発光してる人いる？と思ったら、しどーちゃん。星組特有のキラキラがこうも光るとはびっくり！良い組替えしましたね！！
・伸びしろと可能性の宝庫・優希しおん
ダンスは上手いし、身のこなしも軽い。演技も自然でとっても良い。そしてなにより宙組には珍しい圧倒的爽やかさがあります。その爽やかさが目立つ！良い風を吹かす！！
1期下に鷹翔千空、2期下に風色日向、さらにコロナによる新人公演延期(中止)で、その主演の座を射止めることはありませんでしたが、もったいなかったなあ…と。
これからまだまだ伸びるスターだと思いますし、注目し続けたいです！！
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