こんにちは
私は2023年の観劇を終え、花組全国ツアーで納めました。今年の観劇感想も残るところ2つ!諸々忙しく千穐楽終わってから書き終わったり、記憶が曖昧になり薄っぺらいものもありましたが書ききることに意味があり、今年も続けられて良かったです。
さて、「激情 -ホセとカルメン-」という作品は私の中では月組 珠城りょう・愛希れいか版のイメージがあります。ストーリーについて改めて感想を書くつもりはありませんが、最近のオリジナルに慣れていると最初からバッドエンドがチラつきすぎて少し中弛みを感じてしまったこと、でもバッドエンドがみえているからこその焦燥感を一緒に味わえるところは柴田作品の美しさでもあるななどと思いました。ではキャスト別です!
ドン・ホセ : 永久輝せあ
再演されると決まった時、ひとこちゃんがまた不幸に堕ちていくというところに同情しつつ、絶対に素晴らしい愛に飢えて闇堕ちするホセになる…と信じられました。結果は案の定、素晴らしかったですね。闇堕ち演技で右に出る者なしです。「また人を殺してしまった…」の台詞をあそこまで説得力とリアル感で言える人はなかなかいません。雪組の不幸と闇落ちの血筋は濃い…。
今回のホセで興味深かったのは、カルメンに心惹かれているけれど、ミカエラといる時の方が幸せそうなこと。ホセの母から受けた愛情や本来の根っこの部分にある優しさ(そこが赤と黒のジュリアンとは違う)みたいなのがミカエラとの時だけのぞくのが切なさをより強調していて良かったです。
毎回ヒロインのたびに試練が与えられ、それを乗り越え立派な娘役と育っています。今回も試練でしたね。カルメンとして激しく生きているのに無理を感じて、本当にそうしたいからそうしているのではなくどこかで穏やかな生活を望んでいる気がするとみせてしまったのは、ある意味新しい解釈として興味深くもあり、でも柴田先生のカルメンとしては物足りないのかもしれません。私の記憶のカルメンが愛希れいかだからこそ本当に自由に尖っていたので余計にそう感じたのかもしれません。その点では死に際にみせたホセへの愛も許しの部分は少しだけカルメンの温かで穏やかな部分が垣間見えるようで良かったです。
メリメ / ガルシア : 凪七瑠海
メリメが場面をキュッと締めるとこは流石の一言。同じ役をやっているからこそ感じますが、月組版ではそんなことを思わなかったので、やはり主演との学年差や専科としてさらに磨いた実力ゆえです。特筆すべきはガルシアの方で、この人だけはロマの中でもマジで怖いっていうのがビシバシと出ていて、そんな恐怖のガルシアに唯一噛み付くのがホセだからこそホセの向こうみずな性格とカルメンとの破滅的な愛が際立つという、オーラから全然違って本当にすごかったです。
エスカミリオ : 綺城ひか理
良い意味で胡散臭い笑 ちょっとロミジュリのパリス伯爵に通ずる感じの何でも持ってるナルシストだからこそこんな感じという役作りで、暁千星の若気溢れる失敗知らずな感じとはだいぶ違ったけど、そのちょっと余裕ある感じが良くて。カルメンが一杯一杯のホセに少し嫌気がさしたときに現れる男としては完璧でした。
激情のキャスト別はここまで。
続いてショー「GRAND MIRAGE」つい先日まで大劇場で上演していたショー。
柚香光が抜け、凪七瑠海が入ることにより、ネオ・ロマンチックレビューが、ロマンチックレビューに戻った感じ。正しい岡田作品が良くも悪くもありましたね。
とにかく空いた場面を全て埋めてくれたカチャのノーブルさと安定した舞台運びには感服。さすがの一言です。
永久輝せあのセンターのショー、特にロマンチックレビューはとても正解の色が強くて。真ん中に立つのに何の不安もなく、特にシボネーの場面はしっかり音にはめてくるのが気持ち良いですよね。
しかし同時に、柚香光の代わりは厳しいのだと強く感じずにはいられませんでした。あのオーラは誰にも真似できないし、作品自体を全て自分の色に染めてしまう力は他の人では及ばない。
今回は直近で今のトップが上演しているショーを持っていくという損というか運が悪かったと思います。きっと永久輝せあのために書かれたショーに巡り会えば印象が変わると思います。
さて今年の観劇感想もラスト1回!最後は花組「BE SHINING」の予定です。
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