丸の内OLの観劇日記

20代会社員が宝塚について語ります!

雪組「ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル」観劇感想

こんにちは

 

今年1発目の観劇感想ですー!!雪組「ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル」観劇してきました。

 

これは本当に、とても良くできたオリジナル作品です!!!同じ生田シャーロックホームズ作品としては、私はこちらの方が断然好きですね。

 

彩風咲奈の良さが出ていて、かつ今までのトップ作品とは被らないキャラを当て書きされた点でもう大成功です。ワイルドで少年性を残した挫折する青年みたいなのが映えるイメージでしたが、今回もある意味そうで。自由奔放で夢を追い続けていて、でも簡単に上手くいかなくて。それを冴羽遼やクライドとは違う、カワイイオジサンみたいな魅せ方もできるのか!と感動しました。

コナンドイルは、下手したらその歳なんだから現実みろよ!!とイライラさせられてもおかしくないくらい純粋ですが、そこを可愛いの枠に収めているのは見事な手腕ですし、妻ルイーザ役の夢白あやが観客より前に突っ込んでくれるので気持ち良い。結末を考えずにこっちにきたのかー?!に対する「…うん……」が最高に好き。

ルイーザもハイテンションで前向きすぎて、でもだからこそ夫婦なんだなって感じるような役作りで何より芝居がめちゃめちゃ上手い。特にスイスへ療養しに行った時の芝居は本当に素晴らしくて、アーサーがホームズを認め受け入れるにはこの妻の存在が必要だったと。ルイーザは前半ずっとアーサーだけをみて突っ走っていたようにみえて、ホームズが人気になってしまったことによる苦しみや、家族への想い、でも本当はそのホームズのこともアーサーはとても好きだったことを見抜いたうえで明るく支えていたというところも、ただの献身的な妻ではなく深く掘り下げられていて素敵だなと思いました。

 

朝美絢演じるシャーロックホームズ。名探偵というよりも、物語から出てきたキャラクターというところにフォーカスをあてた今作にぴったりの役作りで、あの可愛くて夢みがちなオジサンが書いたからこんなに楽しくてハッピーなホームズが出来上がったんだななんて思っていたところで最後に「僕は君なんだ!」まで達するのですから本当に上手い脚本です。また、"物語から出てくる"ので袖から歩いてこないのもこだわりが強くて良いですね、必ずセリ上がりか舞台奥なんですよ!悪魔の衣装の着こなしが流石すぎて今作もまた、これが朝美絢か…と言わざるを得ない。声量が増しに増していてセリフは明瞭、歌は安定、さらに自然とキャラクターを成立させてしまう本人の魅力と細かく丁寧な芝居、毎度レベルアップが止まらず本当にすごいです。ちなみに最後のセリ下がりでバチコンウインクするのがたまらん。

 

今作で卒業となる和希そら。「大きな夢がある」「次の夢を探しに行くんだ」など卒業を意識させる台詞もあり、最近の抜け感のある大人な魅力の部分と昔よくみた少年のようなキラキラした目で溌剌に夢を語るその両面をみられるお役で最後にとっても相応しいあて書きでした。所々みえる若干の夢追いすぎてるがゆえの変態感もリアリティがあって良いです。

編集部の社長真那春人はプロローグでの葉巻がカッコ良すぎてさすが、諏訪さき副編集長のリアルな中間管理職感がまた良い。音彩唯は全員にちょっと冷たくて意地悪なのに最後ルイーザに身体は良いの?!って本当に心配してて、根は悪い子じゃないっていうのがちょっとずるくて堪らないですね。眞ノ宮るい・咲城けいの兄弟は弟がポンコツすぎて最高、でもたまに兄にもポンコツの血を感じて、おバカな小芝居から目が離せません。聖海侑の完璧すぎる謎寝癖と企業の下っ端で兄弟ほど自由にできなくていろんな人の顔色伺っちゃうのもまた良し。

縣千は本人のキャラが元々強めなので教授のキャラに負けてないのがすごいけど笑、前回別箱で普通の2枚目みたいなのやればちゃんと上手くてかっこいいのに、本人のキャラが強すぎるが故にそれを上回る飛び道具的なのがきちゃうのは少し残念だなとも思いました。次はベルばらなのでどの役が来ても…ですが、ノーマルな役が次は観たいところ。

華世京はすっかり立派になってしまって…早い……芝居には粗さが残るものの上級生たちと遜色なく芝居していて本当すごいですよ。心霊現象研究会とても楽しそうでなにより。同じ研究会から久城あすの「政治家なんて酔狂な〜」の台詞だけでかっこいいからさすが。

 

妃華ゆきの・桜路薫カップル、色気がとんでもない。おーじに言われたら…うん…家は出て行くし息子とも住めないよね仕方ないよ……。被験者バイトもかっけえ。

奏乃はるとの突然出てきて上手すぎる芝居も見事、すごく楽しそうに本読んでるんですよ…!!だからこそアーサー本人が会いにこなかったことが切なくて。

 

今作は雪組の丁寧な芝居と、アニメや漫画原作からの経験が相まって、今の雪組にぴったりなあて書きだったところがとても良かったなと感じて、何回観ても楽しめる公演でした。

シャーロックホームズは名探偵の大ヒット小説というところだけがクローズされがちですが、なぜドイルはホームズを途中で死なせたのかに至るまでの流れがスムーズに描かれていて伝記としても興味深かったです。

 

次作はベルばらなので、これが今の雪組オリジナルの最後と思うと寂しさもありますが、最後がぴったりな作品で良かったと思います!

次はショーの感想を書きます。

 

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