丸の内OLの観劇日記

20代会社員が宝塚について語ります!

月組「ELPIDIO」観劇感想

こんにちは!

急に寒くなりました。今年の観劇もラストスパート、最後まで気を抜かずにいきましょう。

 

先日月組公演「ELPIDIO」を観劇しました。正直同じ謝先生「眩耀の谷」がすごいつまらなかったので…(でもコロナ明け一発目だったので劇場に戻れただけで嬉しかった記憶)、全然期待していなかったのですが、今回はとっても面白かった!!

 

スペインの民族独立問題って、私も大学で授業を取っていたのですが、過去の話ではなく現在進行形で。特にカタルーニャ地方は数年ごとの選挙のたびに必ず炎上しますよね。

だからこそ、民族問題や女性人権運動に植民地における人権って現在進行形のすごく重いテーマであり、社会的提唱として捉えるのであればかなり難しい作品になってしまっただろうし、もちろん先生のメッセージがそこまで深いところにあるのならば読み取ろうとすることもできる。でも、あくまで社会的情勢は背景として、その中で生きる人間ドラマを前に打ち出した作品で、無理に問題を押し付けるでもなく、人間模様だけを楽しむという選択肢を残してくれたことが良かったなと思いました。

 

さて早速キャスト別です!

 

ロレンシオ / アルバレス侯爵 : 鳳月杏

ロレンシオ本人、ロレンシオが演じるアルバレス、最後に数秒ですがアルバレス本人、この3つの演じ分けがまず見事。さすがの演技力でした。ロレンシオ本人も、スペイン人ながらキューバで育ったことにより植民地への扱いへの疑問や、キューバの友人を革命で亡くした過去、そんな想いを詩にしたためながらも普段は明るく楽しいお兄さんとして仲間と過ごしている、という文字にするとなかなかに複雑な人間なのですが、とても自然にロレンシオとして存在していた納得感が素晴らしいです。何を演じてもピッタリ、怖いものなしです。真剣な姿もコメディも、軍服にスーツにマタドール風、いろんな姿がみられるので大満足なのでした。

 

パトリシア : 彩みちる

ドレスの着こなし、それに似合う鬘、役に合い自分が美しくみえるメイク、今回も最高でした!!どのドレスも、アップヘアもダウンヘアも可愛くて、気の強い部分とたおやかな部分どちらも素敵で、さすがの娘役力で全うした久しぶりのヒロインでした。彼女もやはり芝居が上手く、ただ強気で時代の最先端の女性なだけではなく、ロレンシオに心揺れ動く部分や使用人に慕われる優しい部分なども繊細で、とても魅力的でした。ちなちるは顔の作画が一緒なので並びが綺麗でいいです。

 

セシリオ : 彩海せら

ついに学びましたよ…!すぐに悪いことに手出して、その結果主人公にめちゃめちゃ叱られたりあっさり殺されたりしちゃうあみちゃんが、数多のポンコツヘタレ若造を経て成長しました!!!涙 労働組合アナーキスト集団であることに気付き、まず兄貴に相談。兄貴が心配になっても単独行動で済ませずちゃんと姐さんに情報収集を依頼。さらに刺されても死なない身体に!あまりの成長っぷりに私は大感動でしたよ!!

というのは余談ですが笑、まあ芝居も歌もダンスも本当に上手いこと。ソロ曲は伸びも良く音程も安定、やはり所々望海風斗の面影を感じます。セシリオも過去にいろいろ抱えた重い設定なのですが、その中でいろんなことを考えている焦燥感と、やっと落ち着ける場所や信頼できる兄のような存在をみつけた穏やかな時間といった芝居も自然で、上級生に全く劣らないクウォリティで素晴らしかった。

 

ゴメス : 輝月ゆうま

シリアスとコメディの塩梅がさすがすぎる!花組TOP HATの時も同じような執事の面白担当だったわけですが、やっぱり月組との方が噛み合わせがいいんだなと改めて感じましたね。ギャッツビー再演もELPIDIOも彼女ありきで企画されたんだろうなあと感じるし、実際そうでなかったとしてそうも感じさせる存在感がやっぱりすごいのです。

 

アロンソ蓮つかさ

最近扱いが悪いことが多くてなんだかなーと思っていたら…やってくれましたよ!!面白いキャラを絶対的な芝居技術で、笑いに完璧な間をとって、月組の実力者ここにあり!という感じでした。さすが芝居の月組で育っただけあると感じる、やりすぎではなくあくまで自然なのに笑える挙動や、いくら早口でも全部聞き取れる滑舌の良さ。そして歌えばまた声量が大きくよく響いて上手い。さらに今作は輝月ゆうまと組んでるところが多くその安定感とクウォリティの高さには脱帽でした。どうか本公演でももっと出番を…!

 

マルコス・マグダレーナ・ブルーノ : 千海華蘭・白雪さち花・英かおと

小物オジちゃん演らせれば右に出るものはいないからんちゃん。今回も良い感じに小物で可愛くて、やっぱり間の取り方が絶妙で上手いです。安心安定のさち花姐さん。セシリオに声が大きいよ〜と言われ、すまんすまんって顔するとことか細かい芝居も最高だし歌わせれば迫力あり。チャラ男なら任せとけうーちゃん。扱いが悪いのが残念…ですが、置かれた場所で咲くというか、どのような役でも必ず爪痕を残そうとするガッツとクウォリティと滲み出る本人の根明さが好きです。

 

ベニータ・エステル : きよら羽龍・蘭世惠翔

正しいきよら羽龍の配役という感じで、彼女はジュディの時もそうでしたが、おませなお転婆ガール的田舎少女みたいなのがよく似合って、嫌味0で演じられるのがすごい。声が綺麗なのでセリフも聞きやすいのも良いですし、研5とは思えない安定感もさすが。こちらも蘭世惠翔の正しい使い方という感じで、大人っぽい役が配役されがちな印象ですが、等身大の恋する乙女な姿がとても可愛らしくて良かったですし、この2人の並びがデコボコでとっても可愛くて!先生ありがとう!!という感じでした。

 

ロメーロ大佐 : 柊木絢斗

102期にこのポジションをあてるところさすが月組という感じ。ちゃんと間をとらえた芝居をしていましたが、輝月・が上手すぎて残念ながらちょっと印象が薄くなってしまいました。彼女も未来の光月るうを期待されているのでしょう、名脇役になることを見守りたいです。

 

2500文字の超長文感想になってしまいました…!最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。

 

今年最後の観劇感想は次回、雪組蒼穹の昴です。

 

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