丸の内OLの観劇日記

20代会社員が宝塚について語ります!

劇団四季「オペラ座の怪人」感想

こんにちは

 

先日、劇団四季オペラ座の怪人を観劇しました。

四季を観るのは8年ぶり(前回は「リトルマーメイド」)くらいで2回目でした。

 

最初に言っておくと、オペラ座の怪人は個人的に好きではなかったです。

なのでこの感想もどちらかといえば辛口になると思います。

調べると四季のオペラ座の感想は、絶賛ばかりでしたので、先にお断りさせて頂いた次第です。

 

でもまずは良いところから!

とにかく歌が絶品でした!久々に生オケの舞台を聴いて、やはり生の素晴らしさを実感しましたし、アンドリュー・ロード・ウェイバーの素晴らしき曲の数々。

また、役者さん達、特にクリスティーヌ役の山本紗依さんの高音は至高でした。

あの「オペラ座の怪人」の名曲の数々を生オケと歌うまで聴けただけでも行った価値はありました。

 

1場のオークションの場面から、シャンデリアが上がっていき過去に戻る演出、1幕ラストにシャンデリアが落ちてくる演出は迫力満点であまりにもすごく感動しました。

今回は後ろの席だったのですが、1回前方でみたら頭上に落ちてくるので相当だと思います!

 

お話としては、トラウマになるレベルで怖かったです。どうして誰もホラーだって、気をつけろって教えてくれなかったの?という感じ。

私のオペラ座に対する知識としては、雪組「ファントム」が大好きすぎて映像合わせて10回以上観たのと、城田優による「ファントム」も観劇しました。また、映画版「オペラ座の怪人」は5年ほど前に一度テレビでみました。

 

オペラ座の怪人は何だったのか?

そもそもこの主題が謎を呼んでる間に終わってしまいました。ファントムでは"拗らせた可哀想な人間"でしたが、最後まで分からず。

パパが遣わした本物の"Angel of Music"だったのか、クリスティーヌ含め劇団員の妄想だったのか、本当に"怪人"だったのか、マダム・ディリーが言っていたように"檻に入れられていた逃げ出した人間"だったのか。

謎のままが美しいのかもしれないけれど、ちょっと情報過多すぎて、うーんという感じ。

一緒に観劇した友人は「怪人ってパパだったの?墓から出てきたし…」と言っていたくらいなので、知識なしでみて理解させるには説明不足かなと思いました。

 

・怪人とクリスティーヌの関係

怪人が何故どうやってクリスティーヌに出会い、どのように歌を教えていたかの説明が全くなかったので、怪人がなぜクリスティーヌをあそこまで愛しているのかも分からずただ怖かった。

「Angel of Musicは厳しいの!」と幼馴染ルイスの食事を断りますが、今まで登場すらなかったのに急でしたし、その声しか聞いたことなかった人物に迂闊に着いていくクリスティーヌのゆるさ。ネットで出会った人と実際に会ってホテル行っちゃうくらいの軽さで性犯罪のにおいがして恐怖を感じました。

好奇心で仮面とって驚くクリスティーヌ、いやなんで仮面勝手に取った?事情聞かなかった?

地下で、人形が動いてびっくりして失神してたけどそこで気を失うということがどれだけ危険かと思うと恐ろしかった。

怪人はクリスティーヌに何らかの理由で執着していて、ただ音楽を教えたりだとか怪人が歌にすごくこだわりがあるとかの場面が描かれていないので、理由は分からないけど1人の女に執着する顔の分からない男という本能的に怖い存在でした。

クリスティーヌも怪人に対して、恩を感じているのか、恐怖によって支配されている(精神的DV)なのかがイマイチ伝わらない部分が、大丈夫かな…という感じでした。

 

・クリスティーヌのビッチ感

上記でも書いたように、迂闊に怪人についていったクリスティーヌ。もし少しでもクリスティーヌと怪人がレッスンをしていて恩を感じている場面があれば、別の印象だったかもしれません。

クリスティーヌは"Angel of Music"の声に陶酔していて理性を失っており大変危険な状況。地下について行って仮面剥がしたら恐ろしい顔で逃げ出す。いやいや勝手すぎん?

その上、逃げたところにいた幼馴染ラウルに泣きつき、その流れで愛を歌い婚約。

しかもマスカレードの場面では、「エンジェルにバレたらまずいから婚約は秘密にして!」って、どこまで勝手な女なんだと呆れました。

「ファントム」では、シャンドンに気のある素振りはほぼ見せませんし、エリックに対しても母性本能くらいで恋愛という感じではなかったので、まさかこんな風になっているとは驚きました。

 

・怪人が犯罪者すぎる

「ファントム」のエリックは本当に怒り狂ってカルロッタを殺してしまう以外の犯罪は犯していません。(自分から落下してしまうブケーは微妙なライン…)うろ覚えの記憶ですが、映画版の「オペラ座の怪人」の怪人も基本的には紳士的だった記憶です。

今回の怪人は本当に犯罪者です。怪人伝説をちょっと面白く伝えただけの小道具係ブケーは、公演中に舞台上から首を吊らされ死亡。人形とわかっていても、首吊り人形が急に垂れ下がってくる恐怖はトラウマです。さらに特に何もしていない役者のピアンジも、怪人がクリスティーヌと同じ場面に出るためだけに殺される。

マダム・ジリー曰く「怪人は首を狙ってくるから、目の横に手をかかげて注意して」って、何度も手にかけてる完全に殺し屋じゃん…と恐ろしかったです。

最後の場面も、ラウルの首に紐がかけられるのですが、もちろん演出とは分かっていても実在の生きている役者の首に紐がかかっている状況は恐怖に値すると思いました。

できれば公式サイトとかにそういう場面があるから注意してください。と書いて欲しかったなあ…個人的に特になくてもトラウマになる感じでしたので、三浦春馬さんのファン含め近い方にそういう事があった場合はいくら作品が素晴らしくても見ない方が良いと思います。

 

あと個人的にチャップリンとかピエロとか怖くてだめなんですけど、劇中劇の白塗り化粧も怖かったですね…

 

逆に言えば人にここまでトラウマ与えられる舞台って素晴らしいと思います。

 

帰り道に唯一みたことない「ラブ・ネバー・ダイ」のあらすじ調べたら、クリスティーヌと怪人の間に子どもがいたと知って、気持ち悪すぎてどうしようかと思いました。

「ファントム」は純愛でしたし、「オペラ座の怪人」でそういうことがあったとしたら、完全に性犯罪かクリスティーヌがよっぽどゆるいかですよ…

 

というわけで、もうちょっとトラウマレベルでしたので、帰宅して「ファントム」のフィナーレを観ました。

フィナーレみないとダメなメンタルでした。

さっき死んだはずのファントムが、ウインクしてました。やっぱ宝塚最高です。

フィナーレの偉大さを知りました。いくら悲しい話みても絶対ハッピーに帰してくれる、終わりよければ全て良し。後味最高です。

 

"若い女性"と分類される今だからこそ、性犯罪的怖さをものすごく感じましたが、年齢が違えばそうじゃないかもしれないですね。

 

駄作では決してありません。歌も演者もみんな素晴らしかったです。

ただ私はもう10年は観ないと思います。

 

長くなりましたが正直な感想でした。

 

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