丸の内OLの観劇日記

20代会社員が宝塚について語ります!

星組「ダンサ・セレナータ / Tiara Azul Destino Ⅱ」観劇感想

こんにちは

 

星組「ダンサ・セレナータ / Tiara Azul Destino Ⅱ」を観劇しました!早速感想を書いていきます。

 

私は柚希礼音版はみていないのでこの作品自体が初めて。いやあ、正塚先生の絶好調の絶世期!って感じの作品でした。

あれだけ強く引き留めておいてキスまでしたのに、あの女に惚れたのか?という質問に対して「今、確かめているところだ」って、もはや文学作品ですよね。

暁千星×詩ちづる×瑠風輝のトリデンテの初披露。このメイン3人に誰も星組生え抜きがいないからか、正塚先生の作品の雰囲気からか、芝居の印象が今までとガラッと変わったように感じました。

とても緻密に練られてそれを丁寧に合わせて、勢いに任せたりはしないようにしているんだなと。

 

暁千星イサアクはもうかっこよすぎて…!アンジェリータ綾音美蘭に自分中心だと言われるしその通りだと思うし、劇中で特別かっこいいみたいな場面があるわけでないけれど、過去を抱えているからこそ潜む影、ダンスに向き合う真剣さ、でもルイス達が気軽に話したりできる大人の余裕の雰囲気、見せ場があるからかっこいいのではなく存在だけでかっこいい。それを体現していたのが本当に素敵で魅力的でした。

アンジェリータは他の作品ならネチネチしそうなところを、男女の仲は綺麗さっぱり別れていて、トップダンサー同士だからこそ分かり合えるしぶつかり合うしという良い関係で、イサアクにそこまで言える彼女だからこそみんなからの信頼があってかっこいい。そこがきちんと作られているから、怪我をした際に「舞台に立つ上では全員に責任がある!」と怒る場面の説得力は確かだし、そのあとの「モニカがいなくなったら、誰が私の穴を埋めるのよ」という認めるセリフが輝く。感情の起伏が激しいアンジェリータですが、とってもかっこよく迫力もあり素晴らしかったです。

そんなアンジェリータを好きな碧海さりお演じるジョゼは、普段はとっても優しいんだろうなという雰囲気を台詞などが限られる中でしっかり打ち出すから、アンジェリータが怪我した時に怒る場面が印象的になり、最後に手紙を出したのがジョゼというのも、あの時いろいろと考えて思ったことを数年経ったとしても行動に移す、そんな優しさがある人だったよなと思います。

 

モニカを演じる詩ちづるは、華奢で可愛らしい雰囲気の娘役でありながら、芝居の時の肝の座り方は大したもので、物語の核となる役をしっかり地に足をつけて的確に確実に演じきるところが良い。相手役についていくのではなく役者として対等に存在できていて、ものすごく力強いのに、本人の持つ可憐さでちゃんとトップ娘役として正しい塩梅に収めてくる調整力。すごいです。あと何と言ってもトップコンビの体格差が良い!!腕の中にすっぽり収まるサイズ感、本当の男女のダンスにみえるところ、バックハグでも男役の顔がしっかり見えるところ、そしてラストシーンの背伸びしてるハグが堪らないです。

 

モニカの友人のリタを演じる乙華菜乃の芝居の間の取り方もとても良いです。「顔洗ってました!」のセリフでちゃんと笑いが取れるところも、複雑な事情を抱えたモニカが気を許せるほど良い子なんだろうなと思わせる天真爛漫なところも本人の魅力と相まってとても良かった。

モニカの兄アンジェロ蒼舞咲歩は、真剣な芝居でもちゃんと魅せられる実力があり、雰囲気がなんとなく凛城きらに似ているからか正塚作品によく馴染みます。出番としては数分なのに軍隊に引き渡されるところの殴られたアイメイクがすごくてプロ意識を感じました。

そんなお馴染み凛城きらは相変わらずの安定感で、1番難しそうな間を完璧に取ってきて、爪痕を残しすぎないのに場面をまとめて世界観をつくってくれて、もはや彼女無しの正塚ワールドが想像できなくなってきている笑

同じく専科で専科デビューの小桜ほのかは、今回は専科デビューらしく路線の役を後進に譲ったのだなと少し寂しくも思いましたが、何やっても上手いですね。

 

すごく難しかったであろうルイスを演じた大希颯。ルイスとして笑いをとるには、イサアクやホアキンほど自然なかっこいい男性として存在していても違うし、だからといって1人だけキャラクター重視で作ったら作品から浮いてしまう。そこを絶妙な匙加減で2人みたいに大人でかっこよくないから笑えるというところに落としてきたのが上手かった。恋人役の茉莉奈ふみもそこに合わせた芝居をちゃんと調整してきたところに実力の高さを感じました。

 

そして今回が星組デビューとなる瑠風輝ホアキンアンジェロに拷問をするような冷徹さ、でも最後にイサアクを撃たない頭の良さ、出世して余裕にみえる大人のかっこよさとその人が喧嘩で負けた時の必死さゆえのかっこよさ。どこを切り取ってもかっこよくて、相変わらずスタイル抜群で、暁千星とのスーツでの並びは2人揃ってスタイルが抜群だし歌も2人揃って上手くてシンプルに最高でした。

実力が高く周りをちゃんとみることのできるスターだから、宙組にいた頃は主演スターにとってやりやすい存在はなにかを理解してそこに合わせてしまっていたのかも?と今さらながら思いまして、今回組替えして初めての作品で、同期とはいえ一緒に芝居をするのはほぼ初めてで、その同期は全力でぶつけても打ち返してくれる力があって、"瑠風輝という1人のスター自身"が持つ実力や魅力を100%発揮しているようにみえたのがとても良かったです。

 

ショーの方は1年ぶりに観劇したら、とんでもない運動量に新鮮に驚いてしまいました!1幕もダンスシーンが多いのに2幕この運動量…無事に完走を願うばかりです。

ただの再演ではなくちゃんと1年後の物語になっていて、あんなにかっこつけたのにみんなの前で振られて挙句ヤケ酒して迷惑までかけたのに、よくそのテンションで「帰ってきたー!」ってできるなイグナシオ!!という感じでしたが、あの場面の暁千星のやりきり力はさすがですね。そこから、礼真琴が歌ってたソロを詩ちづるが歌うというのもナイスな采配でした。裸足の場面もラストのティアラ贈呈の見上げてごらん夜の星をも、デュエットダンスはとても初々しくてフレッシュで相手役を見つめる目が愛に溢れていて、素敵でした。8作共に歩んだ最後のことなことこれから始まるありうたで全然違う雰囲気が出るってトップコンビってすごいなと。

瑠風輝のタンゴは、物語的にもスター性的にもヤケ酒しないよな!って感じで、でもその余裕溢れて楽しんでる雰囲気がかっこよかったし、この人ダンスもできたんだよな…と改めて思いました。

 

礼真琴が卒業しどうなるのか…と思った星組は想像以上に素晴らしく、これからがますます楽しみです!!

 

次回観劇感想は未定です。またお知らせします。

 

 

宝塚ボタンをポチッとお願いします!➡︎ にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

もしよろしければ🌟も押していただけると喜びます!