丸の内OLの観劇日記

20代会社員が宝塚について語ります!

「新陰陽師」「不死鳥よ波濤を越えて」感想

こんにちは

 

先日の市川猿之助一家のニュースは大変痛ましく、きっと真相が明らかになってもならなくても、今後猿之助さんが舞台復帰できてもできなくても、歌舞伎ファンに悲しい気持ちとモヤモヤが残ってしまうことでしょう。

私はコンスタントに歌舞伎を観ているわけではないですが、たまたま4月歌舞伎座の新陰陽師と5月明治座の不死鳥よ〜は観ていました。どちらも市川猿之助が出演していました。

彼と家族が選んだ道が何であれ、4月と5月の歌舞伎が作品として素晴らしかったのは事実。

このブログで感想を書く予定は本当はなかったのですが、自分として記録として残そうと思い書きます。

 

まず4月の「新・陰陽師

市川猿之助の演出です。3部構成(1時間×3部)でしたが飽きることなく、どうなるんだろ…とワクワクしながら観劇できたのが自分でも驚きで!歌舞伎って難しくて話分からないとなることも多いのですが、この作品はイヤホンガイドには頼ってしまいましたが、とっても楽しかったです。

陰陽師を扱った作品は昔から多く、そしてこの作品は古典に分類されるのですが、それを新しい人にも楽しみやすいように演出した市川猿之助は役者としてだけでなく、歌舞伎において多彩な才能があるのだなと感激しました。猿之助の印象的な場面は最後のフライングはもちろんですが、個人的には花道に出てくるとみせかけて舞台中央に出てくるところ!花道を向いてしまい見損ねたの悔しいです。

 

俵藤太の中村福之助がガタイが良く、強い男としての説得力が強いですし、立ち回りとかも腰の落とし方の安定が素晴らしい。1幕は主演の安倍晴明が出てこないので、俵藤太が主役にみえます。

2幕かららついに登場、安倍晴明中村隼人は歌舞伎メイクでも分かるイケメン感。スマートかつ男らしくとても素敵。友人の源博雅演じる市川染五郎は顔の綺麗さはもちろん若さが良い意味で光っていて、貴族の好青年というのが登場だけで伝わります。中村壱太郎演じる如月姫との出会いの場面の初々しさと顔の赤らめ方はこちらが恥ずかしくなるくらいピュアです。壱太郎は如月姫以外にもう1役、滝夜叉姫は迫力満点で髪を振り回し花道を渡っていく姿は圧巻。滝夜叉姫と一緒に将門復活を試みる興世王尾上右近も迫力満点で、歌舞伎の昔からの型を綺麗にきめる反面、自分の色も出していてすごかったです。

若手歌舞伎役者がひしめき、歌舞伎の未来は明るい!!というのを強く感じました。

 

続いて、5月明治座「不死鳥よ波濤を超えて」

こちらは宝塚の植田紳爾先生の脚本。3代目猿之助(現在の猿翁)が歌舞伎で宝塚がやりたいと言って植田先生にお願いしたものです。

ということでこちらはヅカヲタとしてあるあるが詰まりすぎていて笑、もう歌舞伎役者しかも大御所も含めてが真剣にヅカパロディをしてくれているようで、話としては全然笑えるところではないのに笑ってしまう。

完全にトップコンビ卒業公演、2番手は年若きビジュアル強め大人気スターで次期トップという感じでしたね。

 

まずプロローグ(?)で主要人物が特にストーリーなく舞い、セリ上がりでトップコンビが登場。そこからトップスター平知盛市川猿之助がソロ曲。もうこんなん笑うでしょwww

知盛様は後半、白のフリフリ系衣装と白タイツに白ブーツを着用するのですが、ご存知の通り猿之助さんは歌舞伎役者体系というか、男役トップスターとはスラッと感が失礼ながら全然違うので、なんかそこも面白かったんです。

知盛の許嫁、若狭の中村壱太郎「知盛様ァァァーーーー」が完全にロザリーなんですよ笑 若狭は知盛を異国に逃すため、足手纏いとならないよう1幕で自死を選びます。これは…絶対…2幕でそっくりな異国の姫で出てくるぞ…と思ったら案の定2幕は紫蘭として異国の姫として登場。しかも紫蘭は知盛に一目惚れ。しかし自分の愛には応えてくれないとなり、それならばあの人を殺してしまおう!となる気性の荒さ。宝塚あるあるすぎて笑える。

しかも知盛と紫蘭の初対面となる異国の王室へ知盛御一行のご挨拶のシーン、突然始まる中国の娘たちの舞。既!視!感!!これ蒼穹の昴でも応天の門でも観たばっかだよお。

 

2番手(違う)の楊乾竜は中村隼人長身イケメン、はい!マントが映える!!知盛を自分の国へ亡命させようと尽力してくれるのですが、そうこう旅をしている間に自国の情勢が変わり、知盛亡命は難しくなってしまう。国か友情か、その2択は宝塚あるあるすぎるぜ!!

知盛は乾竜を国へ帰すために自分を殺せという、しかし友を殺すことはできない…そして知盛はあえて乾竜に剣を向け決闘の流れに持ち込んで、乾竜の剣を自らに刺すのですよ。ナニコレ?宝塚でしか観たことないよ??そして乾竜の腕の中で息絶える知盛、いやナニコレ?宝塚でしか観たことないよ??(2回目)しかも腕の中でよくしゃべるなあ!なかなか死なないな!!さすがは銃で撃たれてから1曲歌うアンドレを演出した植田先生だ。

死後、向こうの世界で迎えてくれる若狭、2人は白い衣装で舞い、知盛は天へ昇っていく(フライング)。いやまんまベルばらではないか?!

面白すぎる…

 

3番手(だから違う)は元劇団四季下村青。絶対歌うだろ!てとこで歌う。もはやトートかラスプーチンか、国が欲しいから姫に手を出す悪役系宰相あるある〜!!しかも歌上手い。面白すぎる。

そして個人的にツボなのはですよ、中村福之助・歌之助・市川青虎の知盛の部下達が、亡命途中の野営地で地元の祭りの歌を歌うんですよ。なんだそりゃ〜宝塚以外で観たことない謎な流れキターーーとなるわけですよ。桜嵐記かい?

 

というわけで、ヅカヲタとして刷り込まれすぎたアルアルが全部詰め合わせられたような作品で、これを歌舞伎ファンをどう捉えていたかは分かりませんが、ヅカヲタとしては本当にすっっっごく楽しかったです!!!

興味深いのは、植田紳爾先生の作品は宝塚で上演されると、おぉ古いな…となるのに、歌舞伎だと、この歌舞伎新しい!!となります。そしてここまで王道にあるあるを詰め込んだ作品は、今の宝塚の新作では逆に観れないので面白かったです。

 

きっと代役の市川團子くんは、現代的スタイルなので男役のようにみえるかも。まだ19歳。師匠の自殺未遂に親戚の死を乗り越えての代役主演。君が全部背負う必要はないんだ、と抱きしめてあげたいくらいです。泣きたい時には泣いたっていいから、みんな応援してるけどそれは無理してほしいってことじゃないから、頑張れと気軽に言ってはいけないような、でも心から頑張ってほしいとも思っているんです。

 

クールビューティーで中の人も気さくではない(笑)タイプの(褒めてます)市川染五郎と、爽やか系イケメンで明るく気さくな市川團子の友情は大変尊いもので、ヅカヲタもジャニヲタもKPOPヲタも絶対大好きだからチェックしてね!

とだけ言っておきます。

 

今舞台を務めている皆様がこれ以上傷つくことなく務められるよう応援します。

 

 

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