丸の内OLの観劇日記

20代会社員が宝塚について語ります!

花組「二人だけの戦場」感想

こんにちは

礼真琴休演が本人から言及あり、メンテナンスとのことで良かったですね。さらにパワーアップして帰ってくるとの宣言、もはや次回が恐ろしいです。作品が出ませんが、110周年幕開けなので目玉作品がきそうですよね!!

 

池袋のBrillia Hallにて花組「二人だけの戦場」を観劇しました。ブリリアなぜあんなに駅から遠いのか…私は運が良くブリリアでも毎回観やすい席にあたり今回も大丈夫でした。

 

ネタバレは避けつつ目に入ってしまうSNSのつぶやきなどはみていたのですが「宝塚らしくない」「宝塚の域を越えた」みたいな感想があがっていたのでどんなものだと思って観劇しましたが、これこそ王道の宝塚、王道の正塚作品でしょ!!と思うくらい宝塚ど真ん中に感じました。

というか最近使われる「宝塚の域を超えている」という褒め言葉(?)が私は嫌いで。それって宝塚の限界を決めているというか、その域を超えた方がすごいっていうのはヅカヲタとしてのスタンスとして違うと思うんですよね。いくら歌が圧倒的でも、芝居が素晴らしくても、あくまで宝塚という範囲の中で行われていることに価値があると私は思います。宝塚の域を超えたんじゃなくて、○○さんによって宝塚の域が"広がった"というのが正しいのではないかなと。

 

「国か恋か」そんなもん天秤にかけんなよーと思いつつも宝塚の永遠のメインテーマです。

絶対誰か死ぬ…殺される…とヒヤヒヤしましたが、最初からネタバレというか裁判の発端となっている副司令官以外死ななくて済んで安心しました。なので誰がいつ死ぬのか…独立は?2人はどうなる…とすっごく集中することができて満足度がとても高い作品でした。

 

まず柚香光の青年少尉、成績優秀で志高く、その志ゆえに田舎の土地を配属希望。キラキラした瞳で語る理想がまぶしくて、でもその志ゆえに上官を殺し追い詰められる。最初に上官を殺してしまったことは裁判の場面で分かった上で、そこに至るストーリーを追っていく方式ですが、とてもしっかり心情や信念が描かれていたからこそ、その流れなら仕方ないけれどあの純粋な彼が放ってしまった一発が自分自身をどれだけ傷つけてしまったのだろう…と思わずにはいられなくなりましたし、撃ってしまったショックの過呼吸の演技はこちらまで苦しくなるようなホンモノでした。でもここで大丈夫と言い続けてくれるライラではなく、士官学校歌によって冷静を取り戻していくという流れにするのがすごいなと。

 

同じ軍人側から永久輝せあのシンクレアとは違って希望もしてないのに配属されてしまったけど、別にそれが理由でぐれるような小さいやつではなく、現実をしっかり捉えて友人を想えるこれぞ2番手さんみたいな、花組にきてやっっっっとマトモな男役がきて本当に良かった。間の取り方が上手く、眩しくもなれれば渋く光ることもできる実力もしっかり蓄えているなと感じた役でしたでしたし、やっぱりあのハスキーボイスが最高です。

シンクレアと同じような志を持つ"通称 : 正塚専科"こと凛城きらの世界観へのマッチというか役の捉え方はさすがです。こりゃ正塚専科だけあるわ!となる締めるとかは締め、緩めるべきところでは緩めるというのが素晴らしい。

司令官にけっきょく言いくるめられ続けたがゆえにあんな最期になってしまった航琉ひびきのクェイド。専科にも引けをとらない見事な演技で、司令官には懐から絶対敵わないであろう絶妙な小物感と、2時間ずっと苦虫を潰したような顔をしてからの最期の半分狂気ともいえる暴走への説得力は素晴らしかった。

そしてこの軍人メンバーすごいしっかりしたキャラと言動への納得感があり自然な流れで感情が動くんですよね。もちろん演者もですが正塚脚本さすがと思いました。

 

民族側としては星風まどかのライラはさすがの一言ですね。正直うたかたのマリーはちょっとだけ貫禄が出すぎていたのですが、ライラはそこを全て修正し、タメ口の独特な口調から出る田舎娘感も自由にのびのび育ったであろうバックグラウンドも、高翔みず希演じる父親譲りの頭の回転の良さとアツい想いはもっている魂も全てが的確で。的確すぎてつまらないと言ってしまえばそれもあるのですが、でもやっぱり気持ち良いくらい手本通りも良いものです。

シュトロゼックとハウザー大佐(司令官)の専科同士も見応えたっぷり。交わらないべき軍と村の長がお互いの思想を認め合いながらも一触即発にもなりかねない微妙なヒリヒリ感の雰囲気が痺れます。

ライラの兄アルヴァを演じた希波らいと。今までで1番の当たり役ですね!!本当に悪いテロリストなのか、でもライラをたしかに大切に想いシンクレアにも必要以上の敵意は出してないから良きやつなのか。ワイルドなキャラが板につき単純にとてもかっこよかった。

 

主人公2人より、シュトロゼックと司令官より先を行く本当の和平の最終地点ともいえる軍曹の羽立光来とエルサ朝葉ことの。すごく上手かったですし、特にことのちゃんは103期なのにしっかりライラに対して姐さんにみえたし、歌も芝居も高水準で安定。

民族の娘たちの中ではリサの愛蘭みこがめちゃめちゃかわいいですね。

 

最後に戻ってきた綺城ひか理。おいおい!こんな勿体無い使い方なんて聞いてないぞ!!!と思ってしまいましたが…星組パッションが良い感じにノヴァロの尖り方にいきていて、前に花組にいた頃とは存在感が全然違って。なんか発光してるんですよまじで!!!次回作以降のさらなる活躍を期待します。

 

前回別箱フィレンツェに燃えるのつまらなさと、ひとこ死体舞台に置き去り事件(笑)の印象のせいで、正直また再演かーーと全然期待してなかった今作。

しかし、シンクレアとライラという役は2人にとても合っていたし、なにより正塚先生様!!となるストーリー性と描き方。(柴田先生だって名作もありますよもちろん)

とても良い作品を観ました。

 

次回観劇感想は、宙組公演「カジノ・ロワイヤル〜我が名はボンド〜」の予定です。

 

 

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