丸の内OLの観劇日記

20代会社員が宝塚について語ります!

星組「Le Rouge et le Noir -赤と黒-」感想

こんにちは

 

星組公演「Le Rouge et le Noir-赤と黒-」を観劇しました。

原作は柴田先生が扱っていた赤と黒と同じ、しかしフレンチミュージカル版ということで構成は全然違いました。

礼真琴率いる星組の特徴も相まって、考えるな感じろ!と言いますか、柴田先生版の美しいセリフや細かい演技で魅せるのではなく、とにかく歌う歌う!!そしてとんでもない難曲を圧倒的歌唱力でぶつけられる!!!というような感覚でした。

良くも悪くも星組パッション全開な作品で歌唱力とキャラ立ちで作品を作り上げ細かい芝居は後回しという、現在公演中の月組応天の門の盛り上がりはないけど組の芝居力で作品をみせるのとは真反対にいるようで、同じ時期の同期トップの公演の差が面白いなと感じました。

歌のレベルは本当に素晴らしく、梅芸で上演するそうですが、そちらのキャストにはかなりプレッシャーだな…と思いました。宝塚の星組という限られたメンバーから選ばなくてはいけないキャストであのレベルですから、選びたい放題の外部でレベルが下がることはあってはならないです。そちらのキャスト発表も楽しみですね!

 

赤と黒という作品自体、つまりジュリアンが尖りすぎとか何故あんな最期に…なんて話は今作で始まったことではないのでスルーして笑、キャスト別です。

 

ジュリアン・ソレル : 礼真琴

今さら書くまでもない圧倒的歌唱力!!どの曲も本当に素晴らしかった。ジュリアンという役は元々の本人の持ち味とも合っているので青年としての若さ故の過ちにも無理がない。しかしダークヒーローを経験しすぎたのか、あまりにも闇落ち具合が激しくて。勝手ながら私の中のジュリアンのイメージって、ロミジュリの僕は怖いレベルだったのですが、モンテ・クリスト伯までいってしまってた感じです。フレンチミュージカルとの相性はさすがの一言で、1789がとても楽しみになりました!!

 

ジェロニモ暁千星

ジュリアンの闇落ちが激しすぎてともすれば復讐劇となってしまいそうなところを、愛憎劇に収めたのは完全にジェロニモの手腕。ソロはもちろんヴァルノ邸の食卓で歌うジュリアンとの難曲ハモリがとても素晴らしかったです。立ち位置が難しいキャラではありますが見事に演じ分けていましたし、ジェロニモが出てくるだけで舞台が一気に華やかになるスターオーラはすごかったです。メイクも変えたのかキュルキュルしててシルクハット被るとこんなに大きかった?!となりました笑

 

ルイーズ・ド・レナール : 有沙瞳

色気がありすぎる。色気ありすぎて私にはジュリアンの言う"瞳の中の光"みたいなのは全然感じられなかったですね。今作の解釈では、ジュリアンがルイーズに惹かれるのは、本当に神を信じ純粋に生きてきた彼女の中に光を見出すからだと思うのですが、どうみたって色気にやられたとしか思えず、またルイーズがジュリアンに惹かれてしまった理由もよく分からなかったのが本音です。ただまあ、そんなところは気ならないくらい歌の迫力と美しさに釘付けになりました。

 

マチルド・ド・ラ・モール : 詩ちづる

アンダー103の娘役の中では頭1つ出ていますね。癖のない可愛い顔、癖のない声、素晴らしい歌の実力、自然で上手な芝居。どこをとっても欠点がなく、マチルドも素晴らしかった。気の強いお嬢様を嫌味なく、ジュリアンにどうして惹かれたのかも、ジュリアンがどうして一瞬ルイーズを忘れてもマチルドに夢中になって悩んでまでしまったのかも、2人の恋愛には説得力がありました。

星娘は、舞空・有沙・小桜と全員が自身の特徴が強いタイプの娘役なので、こういうフラットな娘役は逆に新しくみえました。ぜひどこかでトップ娘役を…と願わずにはいられません。

 

ムッシュ・ド・レナール : 紫門ゆりや

まずは歌のレベルアップにびっくり。この学年にしてこんなにも成長するのかと思いました。仕事がない期間が長かかったですが、決して無駄にはしなかったという事実に尊敬です。

前述したように良くも悪くも星組パッション全開作品だったので、芝居の上手さが際立つこと!!レナールの決して悪い人ではない、近くにヴァルノみたいなのがいたらあのくらい見栄張っちゃうのは当たり前だけどそれが小物感だし、愛がなくて一緒にいても悪い相手ではないけどジュリアンみたいなのきたら浮気されちゃうかもというキャラの説得力のレベルが違いました。

 

ラ・モール侯爵 : 英真なおき

まずはお元気そうで良かった。貴族社会を面白くないと思っていつつも、とりあえず上手くやってる本物のブルジョア感がさすがでしたね。あの親にしてあの子あり、という内に秘められたキレ者感とジュリアンに刃を向ける時の緊迫感はさすがでした。

 

ヴァルノ夫妻 : ひろ香祐・小桜ほのか

はぁ上手いですねええ。レナール夫妻、ジュリアンとマチルドとは違い、この夫婦だけはある意味同じ方向を向いているのが皮肉です。明瞭な台詞回しと安定の歌唱力、そして醸し出す嫌味感はさすが。小桜ほのかはこういう役の方が伸び伸びして映えるなと思いました。

 

エリザ : 瑠璃花夏

さすかの実力者。なぜメイドの彼女が1番派手な衣装なのかというのはさておき、歌は上手いしルイーズとジュリアンの関係に気付いてからの死んだ目が女の恐ろしさを語っていて良かったです。

 

ルージュ / ノワール希沙薫 / 碧海さりお

さすがロミジュリで愛を役替わりした2人。動きがしなやかで、ダンスだけで流れる空気感を伝える力を感じました。

 

本当に観劇できて良かった、浴びるような作品でした。

次の観劇感想は月組応天の門 / Deep Sea」です。

 

 

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