こんにちは!
前回の記事に引き続き花組「冬霞の巴里」の感想を書いていきます。今回はキャスト別です。
オクターブ : 永久輝せあ
「ただいま、この腐った街 巴里!」の第一声だけで、嗚呼この作品は当たり作だ…と思いました。恨みや憎しみに満ちていながらも表面は穏やか、だけれどもその穏やかさが怖い。記者という仕事をし人を殺められるほど年齢は大人になったかもしれないれど、心のどこかには父を亡くしてから成長できていない少年の危うさや純真さが残っている。そこが伯父と母への恨みを原動力としている恐ろしい復讐者の部分と、なんだかんだ良い家庭で育ちアナーキスト達に甘いと言われる部分の塩梅として表現されていたと感じました。そんな難しい心情を表現しきった細やかな演技は素晴らしかったです。「とてつもなく 1人みたいだ…」の一言は特にすごかったです。
フィナーレの1人タンゴがかっこよすぎて、鬘なしの男役の髪型はやっぱり素敵!となって、それも含めて本当に主演作を観れて良かったです。
アンブル : 星空美咲
声がとても良いですよね。声美人なのでセリフが聞きやすく歌も綺麗に聞こえ、アンブルの姉としての落ち着きも声色で上手く表現していたと思います。
アンブルはとても難しい役で、弟の復讐に対して姉だから怖くない一緒にやるんだ、という想いと、女性だからこそ怖いし幸せになりたい気持ちだってどこかに残してしまっているという部分が共存しています。その辺りの塩梅もとても上手でした。
小夏もアンブルも年増だったので、次は若い娘役だからこそできる、少女系が観たいな〜と思いました。次作こそ心から笑っていてほしい!笑
ヴァランタン : 聖乃あすか
ものすっっっごく気合いを入れて努力したのだと思いました。今までの彼女がこの役を演じたら、きっと中の本人の優しさや育ちの良さが出てしまっていたと思いますが、今回は徹底してアナーキストで治安の悪い男で、中の人の良さを感じなかったのがものすごい成長だなと思いました。特にラストシーンの鬼気迫る銃撃シーンは、音楽に頼らず緊張感が客席までヒリヒリするようですごかったです。
下宿の歌は難曲だと思いますが問題なく歌えていたのでその辺りの基礎もかなりレベルアップしてきたのだと思います。
1つだけ気になったのは、あの前髪は全ツ版Cool Beastの応用でしょうか?笑
ギョーム : 飛龍つかさ
本当に何をやっても上手いです。オクターブには個人的に恨まれ、アナーキスト達には警視総監として象徴として恨まれ、オクターブとヴァランタンが間接的に交差するという役どころ。でも完全なる悪者ではなく、ギョームにだって守るべき家族やプライド、そして今は恨まれているけれどオクターブやアンブルにだって伯父として義父として精一杯の愛情を注いでいたのだろうなと思わせる温かさまで滲ませるのが素晴らしいなと思いました。
クロエ : 紫門ゆりあ
初の女役だとは思えないほどドレス姿は綺麗だし所作が美しくて、これがタカラジェンヌの底力…!と思いました。すごく美人でまさかあの高師直と同人物だとは誰も信じられません。しかも特殊メイクではなく個人の力量と研究なのですから恐ろしきタカラジェンヌのメイク力!という感じです。
クロエだって冷たくひどい女に最初はみえていたものの、娘を愛し、なんなら2幕の始めのシーンでは誰の子かも分からないオクターブまで息子として愛していたということですし、大人になるまでオクターブは一度も血の繋がりを疑わなかったのはクロエの愛ゆえだと思いました。
専科にきて活躍の幅が広がり、月組の芝居力を存分に生かして他組の下級生にも影響を与えていて、これからの活躍がますます楽しみです!
シルヴァン : 侑輝大弥
顔が!良い!!ペイントしてても分かるかっこよさ。身体バランスも良くかなりかっこいいです。歌はないものの、役としてすごく目立ちますし、真面目な人が思想に走ると危険というのを上手に表現していたと思います。
ぜひ新公ラストチャンスを!と願います。
ミッシェル : 希波らいと
最初にみたとき、きっとオクターブはミッシェルに最後殺されるんだ…と勝手に疑ってしまったのですが笑、ぶれることなく最後まで善人で眩しかったです。あの作品の中であえて明るくいるという任は大変だとは思いますが、若さと演技ですごくフレッシュでした!
エルミーヌ : 愛蘭みこ
大チャンスでしたね!とても美味しかったと思います、歌もあるし半ヒロインみたいな役どころ。オクターブとそんな仲良くして大丈夫か?!君が理由でミッシェルがオクターブを殺すことになるのではないか…?!と思っていましたが、最後もちゃんとミッシェルと仲良くしていて安心。声も綺麗で演技も自然、嫌味のない可愛い子ちゃんで良かったです。顔が若干桜木みなとぽいので次回からもみつけられそう。
カジミール・ブノア : 峰果とわ
NOSで「ギョームとブノアが双子にみえないように気を付けている」という話を聞いて逆に笑いそうになってしまったのですが、嫌な感じのエロオヤジがすごくハマっていたしたし(褒めてます)、死体役が見事でしたね。目を開いたまま微動だにせず、銃で殺されるとこうなるんだろうなというのを舞台上で表現し切ったのは流石上級生だと思いました。
オーギュスト : 和海しょう
立っているだけであの存在感…!すごいですね。彼が悪者なのか善人なのか、加害者なのか被害者なのか、こちらには読めない無表情感の煽る恐怖。セリフも歌も少ないしもったいない使い方といえばそうですが、彼女ほどの実力がなければできない役だったでしょう。
今回はここまでです!
次回観劇感想は宙組「NEVER SAY GOODBYE」の予定です。
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