丸の内OLの観劇日記

20代会社員が宝塚について語ります!

朝月希和・雪組退団者に贈る

こんばんは

 

今年最後の贈る言葉朝月希和雪組退団者へ書きます。2022年はトップコンビ・2番手格以上での卒業は雪娘だけとなりました。

 

さて96期4人目のトップ娘役となった朝月希和。

彼女は花組時代に同期の花乃まりあの新公をし支え要員に、その1つのご褒美がSante!での同期3人娘エトワールでしょう。

そして雪組に組替え、年功序列が功を奏して星南のぞみ・彩みちる・野々花ひまりを抑えて娘役2番手に。とはいえ、トップは下級生の真彩希帆だし、その前任は同期の咲妃みゆ。娘2とはいっても、次期トップ娘としての2ではなかったのが正直なところです。

 

なぜ彼女がトップ娘になったのか、花組からの反復横跳びを考えればその人事がイレギュラーだったことは確かですが、持論としては彩風咲奈のご指名。もうそこはいくら予想しあっても誰も種明かししてくれないでしょう笑

 

の組替えからの高学年トップ就任からの3作退団は、いわば娘役版・壮一帆なわけですが、その壮一帆が創った3作品の土台があったからこそ早霧せいな→望海風斗の時代が人気絶頂を迎えたわけです。

だから私が言いたいのは、朝月希和が高学年で1人でしっかりと立てる娘役だったからこそ、今の雪組があるということです。

 

今でこそ5組で1番しっかりしたピラミッドで蒼穹の昴という大作も素晴らしくつとめました。

しかし現体制の始まりは、朝美絢飛び級2番手、綾凰華・縣千の突然の同率3番手(=つまり別箱2番手以上)で、あまりにも顔ぶれが変わりすぎてどうなるんだろというところからのスタートでした。正直あの時若い経験の浅い娘役がトップだったら、彩風咲奈は手一杯になってたところでしょう。それを、きわちゃんは自立して上級生の1人として組を支え、組替えしてきた和希そらを同期として迎え入れ、現在の安定した組体制を築いただけでなく、宙組時代は急な抜擢でアンチも多かった夢白あやが芝居の実力派でトップ娘役に相応しいと認められるまで守ったわけです。その功績はトップ娘役を務めた3作だけでなく、その後も続くでしょう。

 

どんな役が印象的だったか思い出すと、ひかりふるのガブリエル、はいからさんの吉次、夢介のお銀といった、サッパリした姉御のイメージが強いです。でもあえて1つ好きな役をあげるとすれば、私は「ファントム」のベラドーヴァかもしれません。出番は短いですが、本当に美しく愛らしい少女から堕ちていき、でもエリックを本当に愛しているのが伝わる慈愛にみちた母性を歌とダンスで表現していて、彼女の愛がエリックの純粋さをつくったという説得力がありました。ダンスや一挙一動で気持ちを表現するのがとても上手く、サヨナラショーでも選んだ「海の見える街」をはじめとして、すごく楽しそうに踊る姿が印象深いです。

最後の方(蒼穹の昴のNOS等)は疲れているような様子もみえたので、屈託なく笑っているといいなと願いを込めて。

 

副組長の千風カレン。

雪組娘役がなぜか定期的につくるキャラ濃いめ枠の娘役。ちょっと大袈裟にみえる芝居で笑いをとったかと思いきや、心中-などの本当にシリアスな作品では舞台をさらにヒリヒリさせることもできる存在でした。高音が綺麗にでて歌も上手。管理職の中ではまだ若く、これからも支えてくれると勝手に信じていただけにショックも大きいのですが、この学年まで宝塚にいて卒業するということは、本人がやり切った!と感じているということ。これからの人生にも幸あれ!

 

100期の羽織夕夏。

私は個人的に雪組100期がとても好きで。誰も新人公演の主演/ヒロインまでは辿り着けなかったけれど、全員がもう少しのところまでいった粒揃いの4人という感じで、Sensationalの同期4人銀橋はすっごく嬉しかったのが記憶に新しいです。

だいたい同期というのは、超路線が1人だけいたり、脇路線にも乗れる人とそうじゃない人で差が出たりするものですが、なんかこの4人はほぼ同じような扱いだったのがなんとなく好きだったんです。だから1人欠けるのはすごく寂しいし、きっと2回目のエトワールも観られると思っていましたし、100期お姉さんコンビとして支えてくれるとも思っていました。研9というと早い気もしますが、ほぼ同い年なことを考えると人生の転機として考えるタイミングでもあります。これからの人生に幸あれ!

 

103期首席の花束ゆめ。

首席ってやっぱりすごいと思うんです。順位に裏付けされた実力というのは本物で、歌もダンスも芝居も上手かったのに、なかなか前面に出す機会がないまま卒業を迎えてしまったのは正直残念でなりません。せめて1回でも新公ヒロインが取れれば…ヒロインが取れなくとも100期コンビくらい活躍が与えられていれば…とタラレバを言ってしまいそうになるくらい残念です。でも103期というのは、これから同期がトップ娘役となり支えも期待され、男役もこれからという時。そんな彼女が劇団の都合で辞めるはずはなく、やっぱり自分の意思だったのだと思います。103期中卒なら(スミレコードですが)、まだ普通の世界では大学卒業の年齢。これからの長い人生がブーケのように華やぎますように!

 

原田先生の文春砲は本当に気持ち悪いし残念ですが、「蒼穹の昴」が素晴らしかったことには変わりないですし、別に作品の娘役の扱いが悪かったのは先生の女性差別的気持ちがあったからではなく単純に原作が仕方なかったものだと思います。漫画家が犯罪を犯した時もそうですが、作者のプライベートと作品を別と考えるか、作品を認めることは犯罪を認めることになるか議論がうまれます。私は「蒼穹の昴」は作品として素晴らしかったと思うし、大変で辛い思いをしながら作品を務めあげた雪組生が作り上げた作品を否定したくはありません。雪組生をこれからも応援し続けることしかできませんが、精一杯応援したいと思います。

 

 

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雪組「蒼穹の昴」観劇感想②

こんばんは

 

今年最後の観劇が終わりました。いやー今年はかなり観ました。来年も頑張って働かなくてはと思います。

 

さて前回に引き続き、雪組蒼穹の昴キャスト別感想です。

 

ミセス・チャン : 夢白あや

原作を読んでないと最も誰か分からないのがミセスチャンではないかというほど、なぜポスターに?と聞きたいくらいの出番の少なさ。突然出てきては岡さんを紹介し、突然出てきては西太后に「おばあちゃん」と呼びかけ、最後突然出てきては「脱出成功よ!」って、いやほんと誰??みたいな。でもその誰?がミセスチャンの持ち味なのですが、とにかく意味わからないけど美貌でやり切ったのはさすがでした。

 

康有為 : 奏乃はると

最初から最後まで、やべーやつって顔してるのがすごい印象に残りすぎて笑 あんなに目開けるんか組長!みたいな。とにかく表情がやばすぎて、なぜ楊先生は仲間に入れちゃったのか気になるレベル。

 

李蓮英 : 透真かずき

嫌味な笑い方が嫌味すぎるし、ずっと口角下がってるのどういう筋肉の使い方?と聞きたいし、男役でも女性でもない宦官の独特の声(本物は聞いたことありませんが)の出し方も素晴らしかったです。

 

袁世凱 : 真那春人

小物な悪者なら任せとけな役者。今回も良い具合に小物でした。なぜあんなに文秀に嫌味ぽくなってしまったのか、それは王逸に対しての劣等感→王逸が敵わない男である文秀への劣等感なわけですが、省かれたことにより初登場からしばらく経って突然嫌なやつに成長してたみたいになってしましたね。日清戦争で王逸は仲間を助けるのに対し、袁世凱は蹴っているのが芸が細かいと思いました。

 

岡圭之介 : 久城あす

ご説明ありがとう!もっと岡さんに説明してほしかったです!と思うくらいの安定感と、距離感のちょうど良さ。グットラック!のところ一発でみんな理解できたのだろうか。岡さんの名場面がサラッとしてしまったのが少しだけ残念。

 

安徳海 : 天月翼

あんなに専科がたくさん出演したのに、まさかの安徳海は組子。本公演スチール写真は半年間あの顔がプロフィールになるのにそこから本気だし、舞台上ではスチール以上の老け顔はもちろん歩き方や喋り方、そして歌い方まで完全なるおじいちゃんで役作りへの努力と完成度の高さに本当に感動しました。春児×安徳海の場面、まさかあの2人が同期とは…と思うと無性にえもいです。老けメイクすごすぎて、日清戦争のバイトやフィナーレで探しちゃいました。

 

譚嗣同 : 諏訪さき

すごい当たり役だと思いました。ヅカヲタではない友人が「メガネと黄色だけは分かった」と言うくらいみんな同じ衣装の中で目立つし、難しい話の中で譚嗣同の淡い恋心はすごい単純というか、ホッとできる場面でもあり、最期の見せ場は見事。作品1涙を誘う部分だと思います。すごく純粋で真っ直ぐで一生懸命なのが全面に出てて、本当に愛しいというか生き残ってほしい…とみんなに思われる愛すべき革命家として素晴らしかったです。

 

黒牡丹 : 眞ノ宮るい

かっっっこいい!!片目隠してキザな台詞を言いながらも、キレッキレで立ち回るのが素敵でしたし、「春児、真っ直ぐ歩くんだぞ」という言葉の通り生きていく春児をみるたびに、あの時の教えがー!とえもくなる存在でした。

 

王逸 : 一禾あお

彩風咲奈・和希そらと3人で歌うって大抜擢じゃないですか!!と嬉しくなってしまいました。そしてその2人と歌っても全く遜色ないくらい歌も上手い。凪七瑠海相手の芝居でも堂々と、軽めなのに優等生な文秀、真面目で固い順桂、体育会系で明るい王逸というキャラ付けも分かりやすく表現し、すごい安定感と存在感で演じていました。これからの活躍もますます楽しみです!

 

鎮国公載沢 : 咲城けい

組替え生には最大限のウェルカムをする雪組ですが1本物なのがその恩恵を受けられず残念だった…ミセスチャン同じく突然出てきて誰?状態だったとは思うのですが、星組では爽やかなイメージだったのが雪組にきたら割とキャラ濃いめにみえたのが面白かったです。

 

蘭琴 : 聖海由侑

美人すぎないか!!朝美絢と並んでなおあの美貌。恐ろしいぜ…!蘭琴は原作だともっと美味しいのですが削られてしまって残念でしたが、とにかく美人であることを売るには十分でしょう。そして歌が得意なので活かせる場面もないのもちょっと残念でした。

 

トーマス・バートン : 壮海はるま

垢抜けたde賞をあげたい。大劇場から東京千穐楽まで毎度かっこよくなっていくのに驚きました。背の高さがアメリカ人ぽくてよかったです。歌とメイクはまだまだ伸び代があると思いますので、これからも期待です。

 

林旭・劉光第 : 紀城ゆりや・華世京

期待の若手。顔を売るには十分ですし、全体的に出番の少ない作品の中で1フレーズでも歌をもらえたのは大きいです。研3.4には思えないひるまない舞台度胸と華やかさ、全体的な仕上がりがすごいです。

 

なんとか千穐楽前に書ききれましたー!

こうして書いてみるとやはり娘役の印象少ないですね…仕方ないです。

 

次回の観劇感想は、星組「ディミトリ / JUGAT BEAT」の予定です。

 

 

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雪組「蒼穹の昴」観劇感想

こんばんは

 

年末で仕事忙しく感想がかなり後回しになってしまいました…

キャスト別さくっと書いていきます!

 

梁文秀 : 彩風咲奈

文秀というキャラクターは本を読んでいた時はボヤボヤっとしていたのですが、宝塚版を観てすごく人物像がハッキリしたというか、最適解を瞬時に導き出す頭の回転の良さとそれが故にみんなに信頼される姿、出世しても大切なのは昔からの友人や故郷であるという人間味、梁文秀という人物をすごく分かりやすく的確に演じていたのが印象的です。大劇場で観た時は、歌がちょっと…なところもあったのですが、東京ではかなり仕上がっていて全体を通して素晴らしかったです。これが代表作間違いなしですね!

 

李玲玲 : 朝月希和

原作からすると玲玲がヒロインとは言い難いですが(他に誰かいるわけではなくそもそも論)、花組育ちらしい1歩いやもはや10歩くらい引いている女性が可愛いという雰囲気で、トップ娘にしては短い出番ながらも、みんなに可愛がられるヒロイン像としてしっかり印象を残し、フィナーレで豪華な衣装で出てくると良かったねえとなりました。姉御な役の方が得意な印象でしたが、奥ゆかしい妹キャラもちゃんと可愛くて、幅が広い娘役だったなと最後に改めて感じました。

 

李春児 : 朝美絢

ここ最近イケメンオラオラJun Asami time!!みたいな役が続いてたからか、元々は得意としていたはずの少年役がすごく新鮮にみえました。目をキラキラさせ屈託なく笑い、それはみんなに可愛がられるよなあ!!という納得の美少年感。本から飛び出したような完璧な春児像が舞台にあったし、歌はまたさらに上手くなっていて、この学年になってもこんなにも成長し芝居も歌もこんなに…と朝美絢自身の努力と春児の努力を勝手に重ね感動しました。フィナーレでは男役に戻っていて、赤リップだけでそんな変わる?!というくらい、これが朝美絢か!!タイムでさすがでした。

 

李鴻章凪七瑠海

存在感があり、オジサンであろうとやっぱりかっこいいんですよね。歌がなかったのは残念ですが、久しぶりに群舞に混ざっている姿を観て、計算し尽くされた裾の扱いや振りのためは流石だと思いました。

龍真咲月組時代から観ている側からすると、階段降りで朝美絢が後から降りてきて銀橋でも内側に衣装も豪華でいる並び(特に2人は隣なので)が、あーさがどれだけ出世したかというのをすごく感じて嬉しい反面、カチャを思うとちょっと複雑だったりもしたのでした。

 

順桂 : 和希そら

そ…その色気は…どうしたのですか……?!?!というくらい刺さったのですが、絶対同じこと思った観客がたくさんいると思います。笑わない順桂がかっこよすぎる。あの声で惚れない人はいないでしょう!!!妻には…妻には笑いかけるのですか…??と問いたかった。(原作にも妻はいることは示唆されるが全く夫婦や家族の描写はない)

初の歌唱指導もおめでとうございます!相変わらず素晴らしい歌声で。死んでから時間も経っているのですっかりソラカズキ本人って感じなのですが、フィナーレで順桂に戻っているのに笑っている姿にキュンが止まらなかったです。

 

光緒帝 : 縣千

動いてなんぼ喋ってなんぼの"動"のタイプですが、今回は座っている場面がほとんどで"静"に挑戦。叔母である西太后を本当に親のように愛していて民のことを考えている優しく思慮深い姿でありながら、その優しさが弱みとなる部分を数少ない台詞で見事に表現していたし、なによりあの黄色の豪華な衣装に負けてない本人の華やかさが見事。階段1人降りおめでとうございます!!

 

白太太 : 京三紗

ありがたいことにすごい近くで観る機会があったのですが、機械仕掛け人形のような動きで「人間…?」となりました。その思わせた時点で白太太としては勝ち。なのにフィナーレが想像以上にキレキレだったのが印象的です笑

 

伊藤博文汝鳥伶

57期コンビを2人揃って観れるなんて、たぶん先にはもうないのでは?というだけでレアだった共演。伊藤博文が教科書すぎて、全然笑えない場面なのに笑いそうになった仲間いるはず。

 

西太后一樹千尋

MVPです。ソロ歌が聴けるとは思わなかった!最初の「黒牡丹はなぜおらぬ」「あい、わかった」の台詞があまりにも迫力ありすぎて怖いのに、2幕の光緒帝への歌は慈愛に溢れ、春児を呼ぶ声は本当に優しくて、怖いし強いけど悪い人じゃないしそれが楊喜楨や李鴻章西太后単体は評価している部分なんだという部分が出ていたのが、原作の解釈と完全一致というところで本当に素晴らしかった。個人的には頤和園でつけている付け爪が1番怖い。

 

楊喜楨 : 夏美よう

本を読んだ時に最も明確に妄想できた役ですが、私の思い描いてた通りの先生が舞台にいて感動してしまいました。実は悪役みたいなのが続いていたのもあり、本で知っているのにいつ裏切るか謎にどきどきさせられました笑

 

栄禄 : 悠真倫

はっちさんが悪役イメージだとしたら、マリンさんは優しいおじさんイメージが強いので、悪役はどんな感じなんだろと思っていたら、見事に嫌なやつだった!!歩き方から細かい表情の作り方まで、とことん嫌味なオジサンでした。栄禄の役作りの完成度により、西太后が悪いのではなく側近が悪いみたいな部分が強調されていたのも見事です。

 

その他雪組生は次の記事で書きます!

 

 

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雪組「蒼穹の昴」原作本と宝塚版 比較

こんばんは!

 

関東圏では今年最後の作品雪組蒼穹の昴が始まりました。無事にクリスマスの千穐楽を迎えられますように。

本ブログも今年最後の観劇感想です。

 

私はお恥ずかしながら読書があまり好きではなく…1番最近に本を読んだのがいつか?と聞かれたら作品も何年前かも思い出せないくらいなのですが、そんな私がすごーーーーーーく頑張って原作を4冊読みましたとも。

というわけでせっかくなのでまずは、本を読んだ上での脚本・演出に対する感想を書いていきます。原作とどこが違ったのか知りたい人もぜひお読みくださいね!

 

たぶん何の先入観もなく読み始めたら、中国の壮大な大地を思わせる作品なんでしょうけど、なんせ私は配役片手に読んでしまった手前、もう想像の範囲が大劇場で、雪組生の声で再生されます。

蒼穹の昴は大ヒット作品らしいですが、私の世代では全然有名ではない印象で、本を読まずに観劇したヅカヲタの友人は「ジェンヌの顔が見分けられるから話ついていけたし、思ったより分かりやすかった」と言い、非ヅカヲタでたまたま観劇した友人は「なにも分からなかった、革命失敗?なんでメガネ死ななきゃだったの?」との感想。

原作を読んだ私からするとよくやった原田先生、あれ以上のまとめ方はない!というくらいベスト要約だったと思うのですが、初観劇・原作未読の人にみせるには難しいかもと思いました。前も書きましたが初観劇の友人を連れて行くなら、できる限り主要メンバーが少ない作品(例: アナスタシア・グレートギャッツビー等)か、敵味方が色などですぐ分かる作品(例:ロミオとジュリエット・ハイロー)に限ります。

 

私が原作を読んで唯一後悔した点、それはあの感動的な船出の後に文秀による玲玲へのDVがあることですかね。

なんかあれ思い出すとあまりにも不快で、今はこんなに未来は明る今感じなのに、この先の旅でも原作の玲玲はそこまで幸せではないと思うと辛くて…だから宝塚版はここまでで綺麗に終わってよかったと思う反面、思い出すと辛いからやっぱ春児みとこ!とセリ上がるタイミングにいつも気付けないのでした。

 

ここからは登場キャラごとに原作を思い出しながら書いていきます。

 

まずは主役の梁文秀李春児。

この2人は科挙に合格した後、原作ではずっっとすれ違いで!畢五(ピイウー)という、少年たちのアレを切ってはそれを担保に利子つけるというとんでもない商売をしている人のところにそれぞれ行っては、お互いの様子を畢五に聞き気にし続け、1巻でバラバラになった2人がたまたま彼の家で遭遇してしまうのは3巻後半。だからもうエモエモで、でもそれぞれ出世した2人は心の底からの会話はできず…という感じなのですが、京劇の後一緒に歌歌うし、西太后宛の手紙渡したり、エモさ減ってましたね。スミレコード的に畢五は無理でしょうし、出番的に2人が一緒に出るのは当然ですが。

 

できればもっと富貴寺のシーン欲しかったなあ。安徳海黒牡丹との修行の日々を1曲でやってほしかったと、というか私の妄想の中では春児修行で1曲あったのですが笑 そして元宦官に盛大に送り出される春児、私の妄想では見えてたんだけどなあ。

あとは蘭琴。宝塚版では番手の都合上バッサリカットでしたが、春児との深い絆と友情、この2人もそれぞれ西太后と光緒帝につくことになるためだんだん本音で話せなくなって切ないのですよ。

 

御曹司育ちで主席入団の彩風咲奈に文秀を、細い糸を手繰り寄せ2番手までなんとかたどり着いた成り上がりジェンヌ朝美絢に春児を、人事的ラッキーガールともいえ彩風咲奈と不思議な縁を持つ朝月希和に玲玲を、次席入団で組替えしてきたばかりの和希そら(つまり出身地が他の人とちょっと違う)に順桂を、というのがまたヅカヲタの萌えを狙ってきてますよね…!

 

続いて順桂。もうあれが全ての出番です笑 他の見せ場はありません。爆弾が雪組お得意の阿片窟に取りに行く演出になってしまったが故に、頭おかしくなって西太后を殺そうとしたようにみえたり、もはやあの場面自体が順桂の妄想にも見えかねないというのは、唯一の演出失敗部分だったかなと思います。原作では普通に闇市で買いますが、娘役出番増やすためには仕方なかったのかな。

 

李鴻章は清国随一の将軍なのですが、見せ場が日清戦争の敗北なのでちゃんと伝わったかしら…日清戦争の場面、袁世凱は仲間を蹴り落とし王逸は助けているという芸が細かいです。2人は原作ではもっと重要です。香港返還の100年交渉が彼の1番の功績であり見せ場だったはずなので、1曲そこで欲しかったというかこれも私の妄想では聞こえていました。

ちなみに日清戦争はサラーっと語られ、あんな場面ができてるとは思わず!でした。

 

西太后・光緒帝は原作だとやっぱりもっと色々考えたら悩んだりしているわけですが、それでも短い場面で、周りの人の派閥争いの外で家族として愛し合い想い合っている2人という関係がちゃんと描かれていたのがすごいなと感心しました。

親王も時代を左右するもっと重要な立ち位置です。モブで終わってしまいました。

 

譚嗣同は原作ではちゃんと玲玲と婚約します!!!残念ながら幸せな新婚生活を迎える前に処刑されてしまったわけですが「僕は簡単な方を〜」の名場面がカットされなくて良かった。その点では突然振られたみたいになって、次の場面では玲玲と文秀ハグしてるし可哀想だったな。

 

ミセスチャン・岡さん・トーマスの3人はもっともっと原作は出番あり大活躍です。ぜひ3人のファンには本を読んで妄想してほしいくらい。終盤に文秀の亡命を助けるシーン、同じアジア人の岡が文秀を演じてトーマス始め外国記者が囲むことで袁世凱から守る(=他国の記者を撃ったとなると面倒だから袁世凱はそれはできない)というシーンも、もっといろんな準備と伏線もあるし、あの2人が途中で春児に取材して考えさせられるシーンとか、舞台で観たかったなあというのが盛りだくさんです。ミセスチャンに至っては突然出てきて意味わからない人多かったのでは…?と思いました。

私が演出するなら多少話の流れが悪くなったとしても、紫禁城のところでストップモーションかけて、重要人物だけ順番にスポットライト当てて岡さんにどんな人か説明してもらったかなーと考えました。

 

娘役の役が少ない…と言われてますが、逆に西太后付女官だけでよくあそこまで華やかにかつ出番増やしたな!と感激するレベルに、原作には女性が出てきません。だから娘役ファンの皆様、演出は限界ですしむしろ先生を褒めてあげてほしい。誰かを責めたいなら、上演を決めたことに対してだしそしたらこの大作は観れなかったと思うと悪い!とは言い難いかなと思いました…。

 

衣装も豪華で、紫禁城を大階段を使った演出は見事。あと数回チケットがありますので、もっと細かいところを観たいと楽しみです!

 

次回以降はキャスト別で書いていきます!

 

 

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月組「ELPIDIO」観劇感想

こんにちは!

急に寒くなりました。今年の観劇もラストスパート、最後まで気を抜かずにいきましょう。

 

先日月組公演「ELPIDIO」を観劇しました。正直同じ謝先生「眩耀の谷」がすごいつまらなかったので…(でもコロナ明け一発目だったので劇場に戻れただけで嬉しかった記憶)、全然期待していなかったのですが、今回はとっても面白かった!!

 

スペインの民族独立問題って、私も大学で授業を取っていたのですが、過去の話ではなく現在進行形で。特にカタルーニャ地方は数年ごとの選挙のたびに必ず炎上しますよね。

だからこそ、民族問題や女性人権運動に植民地における人権って現在進行形のすごく重いテーマであり、社会的提唱として捉えるのであればかなり難しい作品になってしまっただろうし、もちろん先生のメッセージがそこまで深いところにあるのならば読み取ろうとすることもできる。でも、あくまで社会的情勢は背景として、その中で生きる人間ドラマを前に打ち出した作品で、無理に問題を押し付けるでもなく、人間模様だけを楽しむという選択肢を残してくれたことが良かったなと思いました。

 

さて早速キャスト別です!

 

ロレンシオ / アルバレス侯爵 : 鳳月杏

ロレンシオ本人、ロレンシオが演じるアルバレス、最後に数秒ですがアルバレス本人、この3つの演じ分けがまず見事。さすがの演技力でした。ロレンシオ本人も、スペイン人ながらキューバで育ったことにより植民地への扱いへの疑問や、キューバの友人を革命で亡くした過去、そんな想いを詩にしたためながらも普段は明るく楽しいお兄さんとして仲間と過ごしている、という文字にするとなかなかに複雑な人間なのですが、とても自然にロレンシオとして存在していた納得感が素晴らしいです。何を演じてもピッタリ、怖いものなしです。真剣な姿もコメディも、軍服にスーツにマタドール風、いろんな姿がみられるので大満足なのでした。

 

パトリシア : 彩みちる

ドレスの着こなし、それに似合う鬘、役に合い自分が美しくみえるメイク、今回も最高でした!!どのドレスも、アップヘアもダウンヘアも可愛くて、気の強い部分とたおやかな部分どちらも素敵で、さすがの娘役力で全うした久しぶりのヒロインでした。彼女もやはり芝居が上手く、ただ強気で時代の最先端の女性なだけではなく、ロレンシオに心揺れ動く部分や使用人に慕われる優しい部分なども繊細で、とても魅力的でした。ちなちるは顔の作画が一緒なので並びが綺麗でいいです。

 

セシリオ : 彩海せら

ついに学びましたよ…!すぐに悪いことに手出して、その結果主人公にめちゃめちゃ叱られたりあっさり殺されたりしちゃうあみちゃんが、数多のポンコツヘタレ若造を経て成長しました!!!涙 労働組合アナーキスト集団であることに気付き、まず兄貴に相談。兄貴が心配になっても単独行動で済ませずちゃんと姐さんに情報収集を依頼。さらに刺されても死なない身体に!あまりの成長っぷりに私は大感動でしたよ!!

というのは余談ですが笑、まあ芝居も歌もダンスも本当に上手いこと。ソロ曲は伸びも良く音程も安定、やはり所々望海風斗の面影を感じます。セシリオも過去にいろいろ抱えた重い設定なのですが、その中でいろんなことを考えている焦燥感と、やっと落ち着ける場所や信頼できる兄のような存在をみつけた穏やかな時間といった芝居も自然で、上級生に全く劣らないクウォリティで素晴らしかった。

 

ゴメス : 輝月ゆうま

シリアスとコメディの塩梅がさすがすぎる!花組TOP HATの時も同じような執事の面白担当だったわけですが、やっぱり月組との方が噛み合わせがいいんだなと改めて感じましたね。ギャッツビー再演もELPIDIOも彼女ありきで企画されたんだろうなあと感じるし、実際そうでなかったとしてそうも感じさせる存在感がやっぱりすごいのです。

 

アロンソ蓮つかさ

最近扱いが悪いことが多くてなんだかなーと思っていたら…やってくれましたよ!!面白いキャラを絶対的な芝居技術で、笑いに完璧な間をとって、月組の実力者ここにあり!という感じでした。さすが芝居の月組で育っただけあると感じる、やりすぎではなくあくまで自然なのに笑える挙動や、いくら早口でも全部聞き取れる滑舌の良さ。そして歌えばまた声量が大きくよく響いて上手い。さらに今作は輝月ゆうまと組んでるところが多くその安定感とクウォリティの高さには脱帽でした。どうか本公演でももっと出番を…!

 

マルコス・マグダレーナ・ブルーノ : 千海華蘭・白雪さち花・英かおと

小物オジちゃん演らせれば右に出るものはいないからんちゃん。今回も良い感じに小物で可愛くて、やっぱり間の取り方が絶妙で上手いです。安心安定のさち花姐さん。セシリオに声が大きいよ〜と言われ、すまんすまんって顔するとことか細かい芝居も最高だし歌わせれば迫力あり。チャラ男なら任せとけうーちゃん。扱いが悪いのが残念…ですが、置かれた場所で咲くというか、どのような役でも必ず爪痕を残そうとするガッツとクウォリティと滲み出る本人の根明さが好きです。

 

ベニータ・エステル : きよら羽龍・蘭世惠翔

正しいきよら羽龍の配役という感じで、彼女はジュディの時もそうでしたが、おませなお転婆ガール的田舎少女みたいなのがよく似合って、嫌味0で演じられるのがすごい。声が綺麗なのでセリフも聞きやすいのも良いですし、研5とは思えない安定感もさすが。こちらも蘭世惠翔の正しい使い方という感じで、大人っぽい役が配役されがちな印象ですが、等身大の恋する乙女な姿がとても可愛らしくて良かったですし、この2人の並びがデコボコでとっても可愛くて!先生ありがとう!!という感じでした。

 

ロメーロ大佐 : 柊木絢斗

102期にこのポジションをあてるところさすが月組という感じ。ちゃんと間をとらえた芝居をしていましたが、輝月・が上手すぎて残念ながらちょっと印象が薄くなってしまいました。彼女も未来の光月るうを期待されているのでしょう、名脇役になることを見守りたいです。

 

2500文字の超長文感想になってしまいました…!最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。

 

今年最後の観劇感想は次回、雪組蒼穹の昴です。

 

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月組「ブラックジャック / FULL SWING」観劇感想

こんにちは

 

月組全国ツアー公演「ブラックジャックー危険な駆け- / FULL SWING」市川市文化会館公演を観劇しました!!

市川は宝塚初公演、綺麗な劇場でした。座席の足元も広く、1階席はバウ的というか段差が1列ずつかなりついていますし、見切れ席ぽい場所もなかったように思います。2階以上は行ってないので分かりませんが。トイレもまあまあ数あったように感じます。

 

さて、ブラックジャックですがもちろん漫画のことは知っています。でも世代じゃないので実は読んだこともアニメも観たことはないですし、前回の花組版も観ていません。

なのでどのくらい原作の雰囲気と近いのか正直分からないのですが、私の感想としては漫画原作というより正塚作品!て感じで。

ハッピーエンドともバッドエンドとも言えない、命について長らくかっこよく問われた最後に、少しの寂しさとほんのりした暖かさが残る感じの正塚作品でした。

 

まにまにの歌、BJだったんですね!タカスペでしか聞いたことなかった歌の答え合わせ、みたいなのが最近多くて。そうかこれだったのか!となりました。良い歌です。

 

月城かなと演じるブラックジャック、いやー本当に何演じてもかっこいい…!!冷静沈着でも医者としての命に対する熱意はあるという最高にクールなのに、足踏まれちゃう演技が上手いところとか時々垣間見えるヘタレれーこな部分が笑えて上手いなあと。

そして2番手格を演じた風間柚乃の天井知らずの成長が恐ろしい。ニックの時点であれほど安定感ある歌唱と演技だったのにパワーアップしてた…!5期上の演技を得意とするトップスター互角に渡り合い、ヒリヒリした場面もホッとできる場面も上手い。すごすぎる。

れこうみカップルじゃないんかいー!と思いましたが笑、強気で賢くだからこそちょっとずるい女性を演じる海乃美月はやっぱり素敵なので別箱だしオッケーです笑

 

朝霧真のこういう身体デカいのに脳みそ小さい系の悪役いる!!ていう感じが面白すぎたし、全然噛み合ってないマイペースな天紫珠李と、シリアスな場面をちゃんと作るのにしっかりツッコミ担当もするしイジられ役にも回れるさすがの光月るうの悪役も良かったです。花組版を観ていないのでなんとも言えませんが、とっても月組ぽい作りしてきたなあと感じました。このスリーショットは意外と目新しかったのも面白かったです。

 

礼華はる×花妃舞音のロマ劇新公コンビ。身長差にきゅんですし、まのんちゃんあまりにも可愛すぎて!!!「うん」とコクッとさせたらピカイチですし、その幼さ残る可愛さがまたぱるをお兄ちゃんぽくみせている相乗効果。

結愛かれんに診察されたいと思ってしまった。色っぺえ医者でしたとも。あんな可愛いのに大病院でけっこう良い位置で働いてるってテレビで美人医者として特集されちゃいますよ?という感じ。

美海そらも今までで1番セリフの多いピノコ役に抜擢。赤ちゃん言葉も可愛くキュートで嫌味なく、コロコロする表情も可愛かったです。

一輝翔琉の影のBJもれいこの面影はなかったけど(笑)、目立つ位置で抜擢されていて始まったな…という感じ。ブラックジャック先生本人とのデュエット(?)もそつなくこなし、研2としては充分すぎるくらいです。これからますます楽しみ。

 

さてショーの方ですが、大劇場版のものを全ツに持って行く時って、2.3番手がいないことにより若手が活躍できる(例: 雪組Music Revolution, 花組Cool Beast) or 裏が若手バウだからほぼ本公演と同じメンバー(例: 星組Gran Cantante, 花組Fashionable Empire)だと思うのですが、

今回は2.3番手の鳳月杏・暁千星がいないので、前者になるはずですが、元々この「FULL SWING」というショーが若手に渋く場面のセンター以外はみんなモブと化すタイプだったので、風間柚乃夢奈瑠音・礼華はるがそのポジションに収まったまでで、それより下は相変わらず渋い感じでしたね…。逆に言えばこの3名のファンは楽しくて仕方ないくらいの活躍ですし、特にぱるはこんなにも成長していたのかと涙したくなるくらい(上からですみません)でした。

 

とは言え、龍の場面が新しくなった礼華はる率いる若手場面は良かった!!!

注目は108期・雅耀ですよ!!!!!私の見極めが正しければギャッツビーロケットで前回りを披露していた彼女ですが、まずものすごく美人。研1とは思えないほどヅカ顔が出来上がっている。そして前回りができるほどの運動神経だけあってめちゃめちゃダンスがキレてる。歌や演技は観たことがないですが、ここ最近でもう1番楽しみな若手です。

 

そしてここで改めて言いたい、本公演に出てなかった研1の彩姫みみ・星丘しずく・雅耀、ショーにもしっかり参加してくれた専科の凛城きら、本当にありがとうございましたー!!!!

しっかりスイングしてくれたりんきら、そして専科相手でも色気ムンムンなゆーゆ組んでるプロローグ最高でした。

 

ただ1つ、やっぱり暁千星の存在って大きかったのだと感じました。特に今回は彩海せら・瑠皇りあもいなかったので、渋さマシマシって感じでした。1人いるだけでとんでもない輝きが出せていたありちゃんスゴ…となったのでした。

 

次の観劇感想は月組「ELPIDIO」です。

 

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留依蒔世に贈る

こんばんは

 

先日宙組公演千穐楽が無事に終わりました。東西どちらも完走できた公演は久しぶりでしょうか。兎にも角にも本当に無事に東西完走できて良かったです。

 

さて千穐楽後恒例、勝手ながら思い出や想いを語る贈る言葉シリーズです。今回は依蒔世に贈ります。

宝塚1の歌唱力といっても過言ではないほどの実力を持ち、迫力のある演技に定評があり、オラつき加減も組ピカイチ。

新公主演も果たし実力も確かなのにイマイチ扱いが悪かったのは運が悪かったとしか正直言えません。研5.6?くらいの怪我、1期上の和希そらに1期下の瑠風輝がどちらも歌ウマ系だったこと。さらに瑠風は超御曹司、では成り上がり枠はというと和希が先にチャンスを掴んでしまった。正路線は愛月ひかる・桜木みなとでパンパン、脇路線も澄輝さやと・蒼羽りくでパンパン、その辺りが整理されたと思ったら鷹翔千空・風色日向・亜音有星育成モードに入ってしまった。違う組だったら全然違うスター人生だったかもしれない、と改めて思いました。

 

卒業を決めたスターはより一層輝く、と言いますし実際そうだなと色んな卒業生を観ていて思ったことがあったのですが、彼女はその中でも歴代最高の輝きでした。

 

「プロミセスプロミセス」マージ、元々は娘役転向した愛海ひかるの役。つまりは一応は娘役にやらせようとしていたはずなのに、男役のしかもその中でも圧が強くデカめの代役が選ばれたことにびっくり笑

私は幸いなことに生観劇できたのですが、本当にすごかった!!大迫力すぎるし千鳥足の演技は上手すぎるし、そしてまさかの男役でも出てくるから、その早着替えで本来なかったはずの笑いまでとって。ものすごくイキイキと輝いていました。嗚呼なんで映像残らないんだ…

 

「NEVER SAY GOODBYE」ラ・パッショナリア。戦う意志のこもった強くよく響く、女性だって戦うぞ!という気持ちがすごく伝わってくる素晴らしい歌声でした。男役が女役を演じるからとかではなく、本人の持つとんでもない歌唱力の賜物でした。

あの役を素晴らしく務めたからこそ、もし宝塚卒業が外の世界で女性として演じることへの可能性を感じたのであれば良いななんて勝手に思いました。

 

そして卒業公演となった「High & Low」リン。

もう全てを出してやる!といった勢い。やはり素晴らしく上手い歌に、とんでもない声量のセリフ。しっっっかり爪痕を残し、かつヅカローオリジナルキャラとしての立ち位置を完璧に決めてのゴール。スーツ×宙組カラーで終始舞台に立つことができたのもオリジナルキャラだからこそで野口くんなりの餞別だと思いました。

ショーの「Capricciosa!!」

エトワールが素晴らしいのは私が今さら書くまでもなく、エトワールであれ1人降りをできたことは本当に良かったと思いました。プロローグ銀橋男役祭りでも誰よりも楽しそうで本当に笑顔が弾けていて、パスタの歌でも思う存分響かせ、千穐楽が近づくにつれこちらまで一緒にスッキリしてしまうような笑顔で、この人はちゃんとやり切ったんだなと舞台からここまで感じることはないほどの達成感が出ていたのが印象的です。

 

早速OGたちのクリスマスコンサートに出るということはこれからも芸能活動をするつもりがあるということとでしょう。また舞台で観れる日を楽しみに。

宙組卒業生に幸あれ!!!

 

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